宝くじで儲けるのは誰か


おりこうさん おばかさんのお金の使い方

おりこうさん おばかさんのお金の使い方



30億円分全部買っても配当は14億3000万円


仮に一等を2億円とする宝くじの話。宝くじの1ユニット(=基本的に
1000万本)を全部買い締めたとして、配当がいくらになるかといえ
ば、実に突っ込んだ額の半分以下でしかない(『おりこうさん、おばか
さんのお金の使い方/板倉雄一郎』)。


宝くじの還元率(勝った人に返ってくるお金の率のことですね)は、だ
いたい48%らしい。だから確率的に考えれば、母数、つまりこちらが
くじを買う枚数が増えれば増えるほど、還元率も確率に近くなる。その
絶対値が上記の通りだ。


もちろん、母数が少なければ確率的には乱れが出る。だから3000円
しか買ってないのに1等賞が当たっちまった、なんて幸運な人が出てく
ることも、もちろんある。しかし数学的(なのかな?)には、買った人
が絶対に損するようにできているのが宝くじだ。


ちなみに1枚だけ買って、1等が当たる確率は、実に1000万分の1
である。これが何%になるのか、暇があればちょっと計算してみてくだ
さい。たとえば単位でいえばミリが1000分の1、マイクロ(メート
ル=ミクロンといいますね)が100万分の1、そして最近話題のナノ
が10億分の1を表す。だから10枚買って1等があたる確率はミクロ
レベルってことです。確率的に考えれば、宝くじがいかにばくち的なも
のであるかは自明のことですね。


わかっちゃいるけどやめられない、ってか。


そこが宝くじの魔力である。実際には、たいていの場合1等賞を射止め
る人がいる。だからこそ「よし、今年こそ3000円で2億円」などと
意気込む人がいることも事実なのだが。


この考えを応用していけばギャンブルの基本的な構造は、どれも同じで
あることがわかるだろう。宝くじに限らず。競馬もパチンコも、みんな
基本は同じだ。つまりは胴元が必ず勝つビジネスモデルとなっている。
じゃなきゃ、誰も胴元など引き受けないだろう。逆にいえばビジネスと
して考えれば、これほどまでに確実に収益率の高いモデルはないともい
える。


わかってはいるのですけれどね。でも、今年も年末ジャンボは「さあ、
これが最後ですよ。残りものには福があるなんていいますからね」なん
て声に、つい誘われて買ってしまった。当たるわけないのにね。


そこで宝くじの賢い買い方はないものかと考えてみる。たくさん買えば
買うほど還元率である48%に近づく。それならば3000円買うなら、
リスクは1560円。1万円買うなら、同じくリスクは5200円。と
いった調子で、高額投資をすればするほど、リスクは確率通りになる。
であるなら、そのときの懐具合で耐えられるリスク分だけ買うというの
が賢い買い方ではないか。


ということで、この3000円が化けてくれますように!



昨日のI/O

In:
『おりこうさん、おばかさんのお金の使い方/板倉雄一郎
『パフォーマンス・マネジメント/島宗 理』
Out:
C社06年度プロモーション企画O/L



昨日の稽古: