CDが消える日


年間400億で成長率50%。


有料音楽配信の売上高である(日経新聞4月1日)。年間のCD売上高は約4000億。音楽配信がこのまま年率50%で伸びていくと仮定して単純計算すれば、4年後には2000億ぐらいの売上になる。


音楽を商品とするビジネスモデルにパラダイムシフトが起こりつつあるようだ。すでに、その兆候はでている。仲間由紀恵withダウンローズの歌う『恋のダウンロード』である。この曲、つまり商品は、これまでの音楽ビジネスを成り立たせていた4Pのうち、その3つまでを根底から覆してしまった。


簡単に比較してみる。


   従来の音楽ビジネスvs『恋のダウンロード』
商品:音楽(CDで購入)/ 音楽(携帯ダウンロードで購入)
価格:1500円    / 420円
流通:CDショップ   / 音楽配信


しかも『恋のダウンロード』は売れた。まさに最初は携帯ダウンロードのみで発売されたこの曲には、リクエストが殺到。急きょCD発売を決めると、オリコンチャートにはいきなり8位登場となった。


これが一体何を意味するのか。


音楽ビジネスのパラダイムシフトだろう。


音楽といえば、昔はレコードを買って楽しむ商品だった。やがてレコードはCDにとって代わられたが、依然として音楽はCDというハードメディアを通して買うことに違いはなかった。それがついにハードメディアを通さずに買う商品となった。あるいはデータを買う商品になったと言うべきかもしれない。


もちろん、こうした動きを大手レコード会社はあらかじめ読んでいるとは思う。だから、それなりの対策も考えているはずだ。しかし、一つ読み切れないポイントがあると思う。それは音楽配信の普及スピードだ。


既存のビジネスモデルが崩れることに対しては、これまでそのモデルで大きな売上を上げてきた企業ほどネガティブな反応を見せる。そのような事例は、すでに証券業界が先行事例となっている。ビジネスモデルがまったく新しくなるということは、既得権益が通じなくなるということだ。これが既存企業にとってはどれだけ恐ろしいことか。


音楽を製品とするビジネスモデルについて考えれば、
これまでなら音楽をCDというハード製品に作るシステムを持っているところ(=イニシャルコストがかかる)
製品化されたCDを販売する流通経路を押さえているところ(ランニングコストがかかる)
さらにはテレビCMやドラマと連動させプロモーションをできるところ
が圧倒的に有利だった。


しかし音楽がデータ配信でやりとりされる商品になると、これらすべてが崩れてしまう。となると、今度は新しいビジネスモデル、たとえばアップルのiTMSなどのほうが、圧倒的に有利だ。いささか古い話になるが、いわゆるモルタル対クリックの差がここで出てくる。すなわちビジネスモデルの根底となるコスト構造がまったく違ってくるわけだ。


もちろんiTMSは今のところメーカーではない。だから厳密な意味ではレコード会社のコンペティターとはならない。が、なってもちっともおかしくない。


あるいは音楽ビジネスをプロバイダーサイドから見れば、どうなるか。音楽ビジネスのプロバイダーとはアーティストである。アーティストは自分たちの商品を、どうやって売りたいだろうか。中抜きしたいに決まっている。ごく穏便に表現して、中間搾取はできるだけ避けたいだろう。


ここでも既存有名アーティストと、これからのアーティストの間では意識の違いが出てくることだろう。しかし、これからのアーティストにとっては、音楽配信が伸びれば伸びるほどチャンスが広がるはずである。極端な話、やろうと思えば誰でもアーティストとしてデビューできる可能性があるわけだ。


音楽ビジネスは、この先の数年間が激動の時期となる。これだけは間違いなさそうだ。


最後にオマケ。こんなもんがネットにはタダでころがっているわけで、となると、一体、この先どうなるんだろう。では『超絶ウクレレ演奏』、お楽しみあれ。
http://www.ideaxidea.com/archives/2006/03/post_63.html


しかし、こういう作品がどんどん出回って、しかも投げ銭システムみたいなものが普及して、ワンクリックで10円払う、ぐらいなら誰でも払ってくれそう。これってロングテールじゃないんだろうか



昨日のI/O

In:
『ダブル手帳術/斉之平伸一』
Out:
メルマガ
フラワーショップチラシ用ショート(Love)ストーリー


昨日の稽古:

 ・加圧ジョグ
 ・腹筋(今日は70回できましたっと)
 ・レッシュトレーニン