レッシュ式腹筋トレーニングはきつい


腹筋20回でお腹パンパン


レーニングのやり方一つで、こんなに違うものか。廣戸聡一氏のレッシュトレーニングでは腹筋一つがすごくきつい。なぜ、そうなるのか。


両足を伸ばして座る。腰を曲げて状態を前傾させる。これがスタート。ここからゆっくりゆっくりと骨盤の上の背骨を下から順番に床に着けていく。この「背骨を順番に」というイメージがポイントだ。普通の腹筋運動なら、ここは一気に背中を降ろすところだが、そうじゃない。


やってみるとわかるけれど、これは腹筋に効く。そして肩甲骨ギリギリのところまで降ろしたら、今度はまた背骨を上から一つずつ順番に床からはがしていく。上体を持ち上げる途中で足が浮かないように注意する。この腹筋運動によってインナーマッスルが鍛えられるという。前に伸ばした足は、最初は骨盤の幅ぐらいに開いて行い、慣れてきたら足を閉じてやってみるといいらしい。


ゆっくりやるときついのは足上げ腹筋も同じ。特に足を上から降ろしてくるとき。一気に降ろして、あるいは誰かに足を押してもらって地面すれすれで止めるのもかなり腹筋を使うのだけれど、この場合力が入るのは一瞬である。ところがゆっくりと降ろしてくると、一瞬たりとも腹筋にいれた力を抜くことができない。


このように力を抜かないことが鍛錬では大切だと廣戸氏は書いている(「フルコンタクトカラテ」6月号)。曰く「腹筋運動に限らず、腕立て、スクワットなども楽な空間、息を抜く空間を作らないように意識しなければならない」と。


たとえば傾斜台を使って腹筋をすることがある。角度を上げれば、何となく腹筋に効きそうなイメージがある。のだけれど、実はどれだけ角度を急にしても、本当に腹筋を使うのは最初の一瞬だけである。一定のところまで上体を上げてしまえば、あとは惰性というか力が抜けているというか。


しかも、このやり方だと(より負荷をかけるためにダンベルを持ったりすると)、瞬間的に腰に相当の力がかかる。若い間はこれでもいいのかもしれないが、あまり年寄り向きではない。筋肉にしなやかさがなくなってきているから腰を痛める恐れがある。ところが廣戸式のゆるゆる腹筋なら、支点がつねに移動していくから(床に着く背骨の位置が支点になるわけですね)腰を痛めにくい。


側斜筋を鍛える腹筋にしても同じである。勢い良く体を上げてひねれば、それなりに効いている感じはある。が、廣戸式でゆっくりと体をねじる方が、ずっと効く。腹筋といえば、小学校の高学年か中学に入った頃に初めてやらされたわけで、かれこれ30年以上やっているのに、こんなやり方があるとはまったく知らなかった。たかが腹筋でも奥が深いのである。


同じく腕立て伏せもそうだ。


なんと腕立て伏せは上腕三頭筋を鍛えるのではない、らしい。そうじゃなくて胸や背中のトレーニングだという。?である。よくわからないのだけれど、廣戸氏のやり方でやってみる。


まず最初。手の位置に注意する。手の上に肩がきているかどうか。この位置をキープできれば腕は単なるつっかい棒である。だから体を支えるのに腕の力はいらない。ここから腕を曲げていくのだけれど、このときに肩甲骨を背骨に向けて寄せるよう意識する。背中がすぼむ感じといえばわかるだろうか。


体を降ろしきったら、次は背骨に寄せた肩甲骨を開いていく。すると自然に体が持ちあがる。上腕三頭筋にはほとんど力を入れない。肩をぐっと開くイメージだ。これが何のトレーニングになるかというと、肩や背中の筋肉を意識的に使うトレーニングになる。突きのときに手の力だけでなく、肩全体を使った力を使えるようになる。


この腕立ても実はゆっくりがポイントである。


ゆっくりやることの目的は他にもある。つまり「いま、自分の体のどの筋肉を、どのように使っているのか」を意識することだ。これは体をバラバラに意識的に使えるようになるための第一歩である。そしてこうしたゆっくりトレーニングなら、たぶん年寄りにもできる。


たかが腹筋、されど腹筋である。体を自分の思い通りに動かすことがいかに難しいか。普段はいかに体を使えていないか。そんなことに気がついた。こうした気づきがあるから稽古はおもしろい。



昨日のI/O

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昨日の稽古:富雄中学校体育館

 ・コンディショニングトレーニン
 ・三戦立ちでの基本
 ・組手立ちでの基本
 ・ミット稽古
   早く・強くの回し蹴り
   強く蹴る前蹴上げ
 ・約束組手(受けの稽古)
 ・組手稽古(右のみ、左のみ、フリーで)