「にんにくや」さん、それはないで


集客チラシを打った後は、細心の注意を。


4年前、顧客満足研究所の所長をしていた(というほど、たいそうなものじゃないですけれど)時に、小冊子『お客を逃さない7つの魔法のサービス』を書いた。


小冊子ではリピータを増やすための魔法のサービスを7つ紹介しているのだが、そのNo.1が<見えない「品質」を表現する『ひと声』>である。


どんな内容かといえば、クーポンやディスカウントチケットを配ったときの注意事項だ。要するに集客促進のためにチケットをチラシなどで打った時こそ、接客には細心の注意が必要だということ。お客様にたくさん来てもらうためにチラシをまいているのだから、狙い通りにお客様がどっと押し寄せた場合にどういうオペレーションをできるかが問われることになる。


いつもより忙しくなるのは当たり前。そこであたふたしたり、お客様を待たせたり、サービスが低下するぐらいなら、そんなチラシを折込むのはまったく逆効果になる。チラシを見て「あら、このお店、なかなかよさそうじゃないの。おまけにサービスあるらしいから行ってみましょうよ」とやってきたお客様は、たいていが一見さんである。


だから第一印象が何より大切だし、店に入ってからのもてなしぶりで「ほんと、よかったわよね。また来ましょう」となるか「たいしたことないわね、これじゃ、二度と来るもんか」となるかが決まる。


ついでにいうと「あの店、たいしたことないわよ」って口コミほど怖いものはない。『サイレントクレーマー1:9の法則』というのがあって(勝手に考えた法則だけれど)、お客様は店で不愉快なことがあっても10人のうち9人はその場で口に出したりはしない。


その場では何も言わないのだけれど、店を出たらとりあえずまわりにいる人、知り合い、友だち、PTAのお仲間などなどに話す。人は何かの悪口を伝えるとき、たいていの場合は最低10人に伝えるという。これを『悪口10倍増の法則』(ってこれも勝手に考えたんだけれど)という。それぐらい恐いのだ。


ましてや絶対にあってはならないのが、値引きチラシを持ってきたお客様に対して「なんだよ、値引き目当てかよ」といった心の動きをスタッフがしてしまうことだ。まさか店長クラスがそんなことをするはずもないとは思うのだが、たまにある。


「にんにくや」さんは、残念ながらそうだった。


とてももったいないと思う。なかなか印象的で、よく考えられたチラシだった。だから「ちょっと行ってみようか」と思った。ここまでは、恐らく本部の販促企画室の狙い通りだ。チラシそのものは成功しているのである。なのに、実際の店舗オペレーションが、チラシの質に達していない。


大切なのは、ひと声である。


この「ひと」を漢字の「一」で書かないのには訳がある。おわかりになるでしょうか。大切なのは「人」の「一声」だってことです。ディスカウントチケットやクーポンを持ってきたお客様にこそ、しっかり気持ちを込めて声を出して最大限の感謝をしなきゃ。


なぜだか、わかりますか。


だって、そのチラシを見てやってきたお客様は、チラシのメッセージに好感をもったから来られたわけでしょう。店から出したメッセージ「どうぞ、当店に一度いらしてくださいな」に答えてやってきたお客様なんだから、まずは「チラシを見ていただいてありがとうございます」とか「ようこそ、お越しいただきました」とかさ。それなりのあいさつあって然るべきじゃないでしょうか。


スタッフ全員にまで、こうした心がけを徹底せよとはいいません。それは本当に難しいことだと思うから。でもねえ、店長さんができてないようじゃ、ちょっとつらいんじゃないでしょうか。残念!




昨日のI/O

In:
Out:
近大でのセミナー原稿

昨日のBGM

New Jersey/Bon Jovi
Apple Venus/XTC
Future Days/CAN
Night Passage/Weather Report
Let's Dance/David Bowie
Help/The Beatles
※いよいよ、セミナーが月曜日に迫ってきた。何をしゃべろうかと考えるのには、こんな選曲がいいかなと。

昨日の稽古:

・カーツ散歩
・レッシュ式腹筋、肩甲骨立て