日本、もしかしてブラジルに勝てないか


90分間ずっと11人が気持ちを一つにする。


そんなことってあり得ないんだろうなと、日本とクロアチアの戦いを見ていて思った。もちろん、ある局面で全員の意識がほぼ一つに固まることはある。セットプレーの時などは特にそうなのだろう。だが、特に後半の疲れがたまってくる時間帯では、個人の体力や精神力によってモチベーションにバラツキが出るはずだ。10人のフィールドプレイヤーの中には「ああ、しんど。ちょっとだけ歩こ」なんて思う選手や「とりあえず今はもう走れない」って選手だっているだろう。


負けたくない、勝たなきゃという意識は、みんなが持っている。でも、意識の強さにはきっと差がある。その差が、あと一歩踏み出せば間に合うのにとか、もう少しだけていねいに扱えばゴールだったのに、というシーンにつながっているように思えてならない。


まったくの素人考えでしかないけれども、サッカーで勝負を決めるのは三つのポイントがあるように思う。


まず一つには、チームとして「勝つ」気持ちの強さの総和がどれほどのものか。試合に出ているメンバー一人ひとりの最高点を10点とすれば、11人いるのだから満点は110点である。これがどれほどのものかが一つ、勝敗を大きく左右するのだろう。オーストラリア対日本の戦いなら、オーストラリアは100点近くて日本は(特に後半は)70点ぐらいだったように思う。


次はテクニック。これはどう評価したらいいのかよくわからないけれど、とりあえず「アッ」と思った時の対応力とでもいいか。ゴール前で「入りそう!」と感じた時に確実に決められるかどうか、逆に「危ないっ!」となったときに的確にクリアできるかどうか。もちろん、そこに至るまでのプロセスでのテクニックも大切なんだろうけれど、やはり最初と最後でどう決められるか、あるいはしのげるかに、その国のテクニックのレベルが出るように思う。


もう一つ、日本対オーストラリアを見ていて感じたのが、ちょっと変な表現かもしれないが『骨量』の差だ。サッカーも体をぶつけ合う格闘技である。しかも90分間の長丁場。スタミナがある方が有利なのは当たり前、背も高い方がいい。しかし、ここがラグビーアメラグとは異なるのだが、太り過ぎはダメである。


もちろんワールドカップに出るぐらいのプレイヤーだから、それなりに研ぎ澄まされた肉体をしているとは思う。付くべきところに適切な筋肉がついているはずだ。日本選手が特に貧相だとも思わない。しかし、ことオーストラリアの選手と比べた場合には、あきらかに骨の量(重さといってもいいかもしれない)が違うように見えた。


チーム全体の骨量で比べれば、日本はオーストラリアの7割ぐらいしかなかったような印象がある。それで90分間ぶつかりあっているんだから、そりゃ相当にダメージが蓄積されていたんじゃないだろうか。だから、個人的な見方だけれど、後半は「いつ、オーストラリアが得点するんだ?」とずっと思って見ていた。


それぐらい日本の、特にディフェンダーはボロボロに打ちのめされていたように思う。個々のテクニックでみればオーストラリアが日本より優れていたとは思わない。勝っていたのはオーストラリアの気持ちと骨量である。


そして昨夜のクロアチア戦。気持ちは互角か、あるいは日本の方が少し上回っていたのではないか。クロアチアは日本をくみしやすしと考えていた分、なめていたはずだ。だから必死さに欠けていたようにみえた。テクニック的にはほぼ互角。骨量ではややクロアチアといったところか。その結果がスコアレスドローだ。


と考えると、日本のブラジル戦は、少しだけ日本に期待が持てるかもしれない。ブラジル選手を見ている限り、骨量がすごそうなのはアドリアーノロナウド(こいつは微妙なところだけれど)ぐらい。テクニックは及ばないけれど、勝ちたい気持ちに関しては、日本の方が上だろう。そこで気持ちがテクニックを上回ることができるかどうか。ここにわずかだけれど勝機が残されているように思う。



昨日のI/O

In:
Out:

昨日のBGM

The very best of Fleetwood Mac/Fleetwood Mac
Sony Clark Trio/Sony Clark Trio
Blow by Blow/Jeff Beck
The Ultimate experience/Jimi Hendrix
※何となく日曜日っぽい(かな?)

昨日の稽古:

・カーツジョグ

Sonny Clark Trio

Sonny Clark Trio