ビデオの販促に「You Tube」
前年対比5.8%減、約150万台
2005年の国内でのビデオカメラの販売台数である(日本経済新聞7月11日)。市場はここ5年ぐらいの推移を見ると03年をピークに減少傾向にあるようだ。
なぜかビデオカメラにはずっと縁がなくて、初めて手に入れたのが4年ぐらい前である。子どもが小学生になって、そろそろ運動会ぐらい撮っておいてやろうか、といったごくありきたりな動機だった。
自分が買ったのはつい最近だが、仕事では10年ぐらい前から少し関わっている。その頃仕事を出してもらっていた代理店が国内大手メーカーの仕事をしていて、新型ビデオが出るとその販促案をといったオファーがあった。
販促案といってもエンドユーザー対象の広告やCMではなくて、販売店さん対策である。だから、いきおい『お客様への提案の仕方』とかその切り口、セールストークは? といった方面でのアイデア勝負となる。そのころの打ち合わせで出てくる案はたいてい「こんな使用機会提案はどうか」「それなら売り場での訴求は、こういった具合」といったものとなった。
ビデオのCMをみればわかるのだけれど、圧倒的に多いのが入学式と運動会である。要するに子どもの可愛い姿を動画で残しておきましょうよ、おじいちゃん、おばあちゃんだって喜ぶし、みたいな提案だ。この提案はビデオの持つ価値をうまく捉えている。が、どこも同じ訴求をしているので、結局のところ差別化ポイントは機能になってしまう。たとえば、このビデオなら手ぶれしないとか、バッテリーが長持ちとか軽くて疲れないとか。
でも、ビデオの本質的な価値は何か。それはたぶんカメラとそれほど変わらないはずだ。つまり、自分が撮ったものをたくさんの人に見てもらいたいという欲求を満たすアイテムが、ビデオではないのだろうか。もちろんプライベートな被写体を不特定多数にさらすことは誰も望まないにせよ、そうでないサウンド付きの動画を自分の作品として人に見せる。そのためのツールとしてビデオを捉えるとどうなるか。
ポイントは、どこでそれを発表するかになる。となれば『YouTube』を使えるんじゃないか。あるいは『You Tube』的サービスを。要は誰もが、自分が撮ったビデオ作品を簡単に公開できるようなウェブサービスがあればいいわけだ。そしてこうしたサービスはすでにいくつかスタートしている。これからも、きっと増えていくはずだ。
ところがビデオメーカーの使い方提案や説明で、こうしたサービスを活用した自作発表の楽しみや、サービス利用についての説明をしているところは今の時点ではないようだ(詳しく探したわけではないので、もしかしてすでにあったらゴメンナサイ)。
何がいいたいのかといえば、これがウェブ2.0時代の販促になるんじゃないってこと。つまりカメラにしてもビデオにしても、その価値としては記録を残すことと、自分の作品を人に見せることの二つがある。記録を残すことについてはこれまでにもいろんなやり方が整備されているのだが、自分の作品を人に見せる手段はこれまで限られていた。
が、これからは違う。You Tubeにしてもポッドキャスティングにしても、あるいはビデオキャスティングも然り。ウェブ2.0時代には、個人が自作を発表する場が、それも極めて簡単にできる場がどんどん増えていく。それならば個人の情報収集・編集・発信手段としてビデオをもっと訴求すればいいのに、と思いついたのでした。
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製薬会社MR用情報システム取材
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