YouTubeジャンキーはミク中を超えるか


約1450万時間


これが今年5月の、mixiのサイト総利用時間である。サイト総利用時間とは次の式で求められる。
ネット利用者数×一人あたりの平均利用時間=総利用時間(日経産業新聞6月29日)。


何だかわかったようなわからないような指標なんだけれども、とりあえず日本一がYahoo!で全体の16.3%を占めている。続くのが楽天市場の2.1%だそうで、mixiは1.9%だから、伸び率を考えればいずれ楽天を抜くのだろう。


では、そのmixiで人は何をしているのか。日記を書き、人の日記を読み、コミュニティの書込みを読み、コミュニティに書込みをしている。ついでに広告を目にしてたり(意識して見ているとは思えない)、ニュースを読んだりもしているだろう。こうしたサイト利用目的は、たぶん楽天とはまったく違う。おそらくYahoo!とも違っているはずだ。


その意味ではmixiは、そこにアクセスしていること自体が目的化するサイトといっていい。だからこそ『ミク中』なる利用者が出てくることになる。何しろなんでアクセスするのか、自分でははっきりとした理由がわからないのに、いつの間にかmixiを見てる。そんな人のどれだけ多いことか。


では、私が個人的にハマりまくっている『YouTube』はどうなのか。


サイト総利用時間で考えれば、今後、伸びてくる可能性が極めて高いのではないか。なぜなら、このサイトへアクセスしてくるユーザーの目的は、ビデオ(というか動画ですね)を見ること。いろんなビデオがあるから一概には言えないけれど、たとえばMTV系のビデオなら一曲が3分から5分ぐらいまで。そして、この手のビデオを一本見ると、次から次へと同じアーティストのビデオや関連したビデオを見たくなるようになっている(のは、私だけかもしれないけれど)。


ビデオを見ていると時間なんてあっという間に過ぎていく。ま、最初だから熱中してしまうのは仕方がないとあきらめているけれども、昨日はたぶん8時間ぐらいYouTubeにアクセスしていたはずだ。YouTubeのサイト総利用時間は、たぶんすぐに増えていくだろう。


では、YouTubeはビジネスとして成立するのだろうか。ここがmixiと違って難しいところだと思う。mixiユーザーとYouTubeユーザーでは、サイト利用の目的が違う。mixiはあくまでもコミュニティサイトであり、YouTubeは目的型サイト(って言葉あるのかな)である。何となくぶらぶらしにくる人がmixiユーザーなら、YouTubeユーザーは「何か見たいな」と思って来る人が多い。


どちらが広告に目をとめるか。とめやすいか。今のところはmixiじゃないんだろうか。しかもmixiは会員の属性情報をつかんでいるのだから、それにフィットした広告を流しているはずだ(まだやってないのかもしれないけれど、いずれやるだろう)。これは一応、広告効果が高まると考えられる。


ではYouTubeはどうなるのか。コンテンツが動画だけに、サイトを維持していくコストはたぶんmixiの比じゃない。今のところはアクセス数が将来性の担保となっているが、それだけでいつまでも続くとは思えない。集まってきた人に対して価値を提供し、彼らから何らかの対価(それはユーザーから直接受けとるだけとは限らない)を得る仕組みを作らなければならない。


そして、現時点ではアクセスが殺到しているけれども、サイトへの不満はまだまだたくさんある。まず一番には画質が悪い。モニターのフルサイズまで拡大してみれるようだけれど、それに耐えるクォリティではない。元になっている投稿ビデオの質が悪いのだから仕方がないとは思う。思うけれど、何とかしてほしい。そしてこうした技術系の問題は「何とかしてほしい」と思う人が多ければ、たいてい何とかされると思う。今後に期待したい。


その流れでいけば、高画質になったデータを、できればダウンロードしたいとも思う。まあ、今のYouTubeのサービスを利用すれば、あえてダウンロードする必要はないともいえるけれど、でも、ときどき「あっ、これおもろい」と思ったビデオが放送局からの抗議などで消されることもあるらしいから、そうしたときの備えに、自分のデータとして持っておきたいような気はする。


YouTubeに対しては、いろんな望みが出てくる。望みが出るということは、現時点では満たされていない要望がたくさんあるということでもある。そうした要望がたくさんあるということは、このサイトへの期待が大きいことの裏返しでもある。


今年後半にかけては『YouTube』の動きは、要マークである。



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