動画投稿サイトの可能性
410万vs380万
月間視聴者数の話。日本でもYouTubeが、無料ネット放送として先行していたGyaoを抜いたらしい。しかもその伸び率たるや、昨年12月に月間20万人だった視聴者数が、今年3月に212万人、そして5月に400万人を突破した。
→ http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20169127,00.htm
YouTubeのすごさについては、ついこの間2回連続でエントリーしたばかり。やっぱりすごいのだ。
http://d.hatena.ne.jp/atutake/20060717/1153086508
http://d.hatena.ne.jp/atutake/20060716/1153028937
ではYouTubeは何がすごいのか。すごい要素は二つあると思う。一つには自分の好みの動画をキーワード検索で探し出せること。こんなシステムはこれまで世の中になかった。つまりYouTubeは、その存在自体が革命的なのだ。
二つめ。その登場のタイミングが絶妙だったために、超・短期間で動画投稿サイトとしてデフォルトポジションを確保してしまったこと。これこそ典型的なWeb2.0モデルだろう。だってコンテンツそのものは、世界中の人がせっせとタグを付けて勝手に投稿してくれるのだ。そしてそのタグを頼りに検索をかけて見に来る人が爆発的に増えている。
タイミングの絶妙さとはブロードバンド回線の普及状況や、ビデオをパソコン経由でネットに乗せるユーザーリテラシーの成熟度合いとフィットしたということ。これが仮に3年前ぐらいのタイミングだったら、ここまでの伸びはなかったはずだ。
こうした状況を受けて、いま『ヴログ』が流行の兆しを見せているという（日経MJ新聞7月7日）。ヴログとは、文章と写真のブログに対して、文章と動画からなるブログのようなものである。自分が語りたい素材としては、写真があってもいいし、動画があってもいい。音声と映像から構成される動画の方がわかりやすくて訴求力も強いだろうから、ヴログがこれから伸びて行く可能性は高い。
自作のビデオをネタに語る場合でもYouTubeが使える。とりあえずここにどんどん自作をアップロードしていけばいいわけだ。と考えてみればYouTubeはネット上にある自分専用の動画ストレージサイトでもある。しかももちろん無料である。
とりあえずいまYouTubeにアクセスが集中しているのは、過去のテレビ録画を見るためだろう。放映された番組をみんながよってたかって録画し、せっせとアップしたものを、たくさんの人が見に行っている。だってねえ、これはやめられませんよ。自分の好きなタレント、コメディアン、ミュージシャンなどの名前で検索するだけで、その人の過去の動画を見ることができるんだから。しかも検索は日本語OKなんだから。
ただ一つ気になるのは、このYouTubeが誰から対価を取ろうとしているのかが、まだはっきりとは見えないこと。だからこのサイトを果たしていつまで維持していけるのかがわからない。動画サイトであり、しかも全世界からこれだけアクセスが収集しているとなれば、システムコストだけでも並大抵の額じゃないはずだ。
だけれども、今のところサイトに目立った広告は表示されていない。最終的にはたくさんのユーザーが集まるサイト＝広告媒体としての価値の高さといったGoogle的なビジネスモデルに落ち着くのだろうけれど、他にもやりようはたぶんあるだろう。Googleのアナロジーで考えれば、検索連動型で広告ビデオを潜り込ませるなんてやり方もあるだろうし。
あるいは商品広告ビデオが、じゃんじゃん投稿されるなんて可能性もある。スポンサーからすれば、タダで使える広告メディアである。しかも広告した商品に関連するタグをつけておけば、そのキーワードで検索をかけてきた人が見てくれる確率が高いという。これはテレビ局や広告代理店にとっては、想像するだに恐ろしいことだろう。その意味ではテレビ、広告といったビジネスに破壊的な影響を与える可能性を秘めている。
また著作権侵害といった声も当然出ている。テレビ局などから抗議が入るたびに一応、該当ビデオを削除してはいるようだけれど、そんなのしょせんはイタチごっこである。だからYouTubeはもしかしたら、著作権についての考え方を一変させる可能性だって秘めている。
といったことも含めて、この先YouTubeがどうなっていくのか。これはWeb2.0的世界を予測する上でも、あるいは大げさにいえばこれからの社会のあり方を考える上でも、非常に注目すべきテーマだと思う。
とりあえず、いまハマりまくっているのが、このビデオ。よろしかったら。
→ http://www.youtube.com/watch?v=jGKj_eYbBkQ
昨日のI/O
In：
Out：
昨日の稽古：
・レッシュ式腕立て、腹筋
・腹筋、腕立て
