日本に残る仕事は


2000年53万人→2005年39万人


アメリカでプログラマーがガクンと減っている(『R25』12月7日号)。プログラム仕事が減っているわけではない。仕事そのものは、勝手な推測にすぎないけれど、ものすごく増えているはずだ。何しろIT化がどんどん進んでいるのだから、いろんなプログラムが必要になっている。需給バランスを考えれば本当ならプログラマーは、2000年の倍ぐらいまで増えていてもおかしくはないんじゃないだろうか。


といった状況があるにもかかわらず、現実的にはアメリカでのプログラマーの数は減っている。その理由が「オフショアリング」である。


オフショアリングとは、コスト削減を目的に、国外の企業へサービス分野やIT分野の業務を委託すること(→ http://cgs-online.hitachi.co.jp/glossary/kana/a_014.html)。プログラムの仕事なら、アメリカの場合インドが主な引受先となる。インドは国策として数学教育に力を入れている。子どもたちも数学をしっかり学んで、コンピュータサイエンスに強くなれば、それが高収入につながることを自覚している。


そんな環境があるから、優秀なプログラマーがたくさんいる。しかも人件費が安い。その上プログラムを書く仕事なら、指示も納品もネットで完結する。もとよりインドでは英語が第二国語みたいなものだ。英語でのコミュニケーションに何の不自由も感じない人がたくさんいる。


ここまで状況が整っていて、プログラムの仕事をインドでやらない経営者がいるとすれば、アメリカでは株主代表訴訟を起こされてもおかしくないぐらいだ。


R25』誌によれば

アメリカでは今、インドに住むインド人を家庭教師として雇い、ネットで授業を受けるサービスが大人気。アメリカ人を雇うと40〜100ドル/時もかかるのに、インド人なら15ドル/時程度だ。


すごいことになっている。


さて、これはアメリカ(=英語圏の国)だけの話だろうか。よくいわれるのは、日本の場合何をやるにしても日本語が参入障壁になるということ。確かに英語を学ぶのに比べれば、日本語を学ぶ方がはるかに難しいだろう。


だから日本のプログラム仕事がインドに流れたりはしない、といっていられるのだろうか。ここは立場を変えてインドの人から見てどうか、という視点も必要だ。すると彼らにとって日本はどう見えているのか。アメリカに次ぐ魅力的なマーケットではないか。確かに日本語は難しいかもしれない。ということは日本語さえクリアすれば、競争優位なポジションを取れるというようにも考えられる。


といったことを考えているのは、インドだけじゃない。お隣の中国でもそうだ。実際のところ日本のSE業界ではすでに中国シフトが始まっている。あのライブドアも何年か前に大連に会社を作っているはずだ。


中国の方がインドよりも早くから日本語教育に力を入れている。中国の人にとっては、日本語をできれば高収入につながる可能性が高いことを知っている。だから日本語学習に対する意欲も高い。インド人と中国人を比べて、プログラマーとしての資質がどちらが高い低いといった話は聞いたことはないけれども、何しろ母数がでかいのだから優秀な人材も絶対数では多いだろう。


では日本から流れ出しそうな仕事はSEだけだろうか。


事務、経理などの仕事も簡単な入力代行なら中国でやった方が、はるかにコストパフォーマンスは高いだろう。もちろん企業秘密に絡むような部分でのセキュリティ確保は必要だが、事務業、サービス業などももしかしたらオフショアリングが進む可能性はある。クレーム受付やサポート、さらにはテレアポなどももしかしたら中国でやれる可能性は高い。というか、すでにやっているのかもしれない。


といった状況になってしまったとき、自分がやっている仕事が5年先、10年先にも日本で必要とされるのか。あるいは自分の能力はオフショアリングさらないものになっているのか、を考えておくことは必要だと思う。



昨日のI/O

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『人を育てるトヨタの口ぐせ/OJTソリューションズ
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昨日の稽古:

・レッシュ式腹筋、腕立て
・馬歩站椿