薬事法とキメぜりふ
食品広告のお話
薬事法が絡んでくると、コピー表現がとたんに難しくなる。なぜなら、食品は効果・効能をうたえないから。ということで最近「キメぜりふ」なるコピーが盛んに使われているという(日経MJ新聞12月13日)。
たとえば味の素のサプリメント『グリナ』。これは深い眠りを促す働きがあるとされるアミノ酸「グリシン」を配合している。パッケージに記されたコピーは「さわやかな朝をサポート」」である。
何のこっちゃってなもんだ。実際のところ「何に聞くのか」といった問い合わせが寄せられるという。この商品は雑誌・新聞広告がメインだが、そこで使われているコピーがこれ。
「気がつけば、もう朝。なんて、久しぶり」
いつものように「だから買ってね」検査をしてみましょう。
→ http://gold.ap.teacup.com/frankjuso/15.html
「気がつけば、もう朝。なんて、久しぶり。だから買ってね、グリナ」
やっぱり何が何だかである。なんか、頻尿予防の薬にも使えそうなコピーじゃないか。
一つ前の広告シリーズで使われていたコピーは
「明日、がんばるわたしに。(だから買ってね、グリナ」
これまた「?」である。
味の素の社内調査では、「気がつけば〜」の方が評価が高かったそうだけれど、どっちもどっちじゃないんだろうか。要はいかに質の高い眠りを得られるかがポイントなわけで、そこを言葉にできないもどかしさをぬぐえないのだ。
これだと結局は、お客さんに何も伝わらないことになる。それが法の精神なんだろうか。もちろん誤った情報を提供するのはダメである。が、少なくともどういう狙いで作られた製品なのか、ぐらいは伝えないとわけわかんないと思う。
特定保健用食品(特保)の認証を取れば、食品でも効果効能を表示できる。とはいえ認証取得には億単位のコストがかかる。このあたりをもう少しユーザー視点で改善できないものだろうか。
昨日のI/O
In:
『最強の図解術/開米瑞浩』
『TIME HACKS/小山龍介』
Out:
昨日の稽古:
・レッシュ式懸垂