テレビの終わり


RimoYouTube、びっくりした。


とにかく、これにアクセス召されよ。
http://rimo.tv
これが一体何なのか、詳しい説明を知りたければ下記へ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0702/16/news037.html


冗談じゃなく、これでテレビの終わりが本当に始まったんじゃないだろうか。人がテレビを見る理由は、もちろん人それぞれ、いろいろあるだろう。が、おそらく全体の80%ぐらいは暇つぶしではないだろうか。要はとりあえずテレビでもつけておこか、みたいなパターンだ。


一応はニュースを選んだり、あるいは好きなタレントが出ている番組をチョイスしたりぐらいのことはする。とはいえ、よほどよくできたドラマか、あるいは野球とかサッカーの好ゲームでもない限りは、流し見、あるいはながら見している人が多いはずだ。テレビなんて、そんなもんである。


ここで少し、ではテレビとは何なのかと考えてみるに、実のところにぎやかしになんか映ってて音も出てたらいいぐらいの存在でしかないのではないか。テレビがついてないとなんか静かすぎてちょっとアレだし、せっかく買ったテレビの画面に何にも映ってないのもアレだし。みたいな理由でテレビをつけている人も多いのではないかと推測する。


そんな人たちにはこれ、「Rimo」である。


勝手に次から次へととビデオを流していってくれるのである。しかも、YouTubeの人気ビデオを選んで。ボーッとながめて時間つぶしをしてよし、つけっぱなしにしておいてチラチラ見てよし。とりあえずテレビモニターのシェア争いに、いきなり割り込んできて、少なくとも20代、30代に、たぶん10代も含むぐらいの年代層の間では、短期間でシェアナンバーワンになるんじゃないだろうか。


そもそもこの年代の人たちの可処分時間の中でテレビに割り当てられるシェアはどんどん低下してきている。わずかに割り当てられるはずのテレビ画面さえこれからはRimoに独占される可能性が高い。これすなわち、これまでのテレビ、さらには広告代理店がよってたっていたビジネスモデルの根底的な崩壊である。


以前、日本を代表する大手広告代理店の孫請けで、アメリカのTiVoをウォッチしていたことがあった。TiVoとは、あらかじめみたいプログラムをリモコンで入力しておけば、セットトップボックスのハードディスクにそれをどんどん勝手に録画してくれるマシンである。しかも学習機能が付いているので、好きなタレントを入力すれば、そのタレントが出ている番組を勝手に録画してくれたりもする。あるいは帯ドラマなら一度入力しておけば半年分ぐらいは放っておいても録画しておいてくれる。


これを人が使うようになったら、まずリアルタイムでテレビを見る人が減る。要するに自分の都合のいい日時に見る。しかもハードディスク録画すなわちデジタル録画なのでコマーシャルは瞬間的にすっ飛ばしながら見る。これすなわち、ゴールデンタイムのコマーシャル枠が高く売れる理由がなくなる。そもそもコマーシャルを見てもらうことが前提でスポンサーからお金を貰って成立しているテレビビジネスおよび広告ビジネスそのものの崩壊につながる。えらいこっちゃとなったわけだ。


今のところTiVoが普及するスピードは、その登場時に予想されたよりもうんと遅い。その理由が何なのかはよくわからないけれど、仮にいずれTiVoが広まればテレビ、広告業界に致命的な打撃を与えることは間違いないと思っていた。


しかし、その前にRimoが、あっさりとテレビ、広告業界に引導を渡してしまいそうだ。いまのところ画質はもう一つである。が、おそらくこれについてはいずれ解消されるものと思われる。そうなったら、どうなるのだろう。ボーッと眺めるならRimo。これで決まりなのではないだろうか。しかもRimo自体がコンテンツを持っているわけではない。あくまでもYouTubeからの引用である。だからRimo著作権法などに引っ掛かるリスクも、まずない。


はてな、すごしである。


昨日のI/O

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