捨てると見えてくるもの

atutake2007-11-19



すっきりしたいものがある人86%


日経WOMAN誌が働く女性(1169人/平均年齢31.7歳)を対象としたアンケートの結果である。シンプルな暮らしにあこがれている人は94.7%、捨てたいものの第一位は「物」だそうだ(日経MJ新聞2007年11月19日付け4面)。


なるほど。物がうじゃうじゃと多くて鬱陶しい思いをしているのは、私だけに限らず女性も変わらないということになる。とりあえず歳を取るごとにモノはどんどん増えてきた。24歳で独り暮らしを始めたときには四畳半一間で暮らせていたのに、それ以降身の回りを取り巻くモノはどんどん増え続けている。


振り返れば四畳半時代には机が一つ(大学時代の友人が卒業するときにくれたボロボロのもの)、小さな冷蔵庫が一つ(これも友人のお下がりだ)、ファンシーケース(ビニール製カバーのついた洋服掛けですね)が一つ、カラーボックスが一つあって、その上にミニコンポとテレビ。あとは押し入れに布団が一組。これだけでも結構なモノかもしれない。


それ以降、暮らす空間が少しずつ広くなるのに連れて空間を占拠するモノもどんどん増えていった。自業自得と言えばそうだけれど、感覚的にはモノが勝手に自己増殖しているのではないかと疑いたくなるような感じだ。大阪のマンションに暮らしていたときは玄関脇のやはり四畳半を仕事場にしていたのだが、この部屋に入ってきた甥っ子のひと言「ゴミ箱みたいな部屋やな」を未だに忘れることができない。


部屋は細長い作りになっていて、ドン突きに明かり取りの窓がある。窓の前に机をおいて、部屋の両側には本棚を並べていた。さらに机を置いているのと反対側の壁にも本棚がある。要するに長方形の部屋の三方が本棚で囲まれた空間である。地震でも起こったら、本が崩れてきてきっととんでもなく悲惨なことになっただろう。おまけに本棚に入りきらない本や雑誌が床に散らばっている。仕事の資料となる紙もあちらこちらに山を作っている。


自分的には、この閉じ込められた感が仕事をするのにはいいかなと思っていたが、他人にはそうは見えなかったようだ。


そこから今度は借家に引っ越し、当分はここに暮らすのだと気を緩めたせいだろう、さらにモノは増殖していった。増えていくのは本と雑誌、新聞に資料などで要するに紙ばかりが増えていく。仕事部屋は四畳半から十畳ぐらいに格上げしてもらったが、空間に余裕ができるとモノが増えるのはどうも何らかの法則となっているかのようだ。モノを置ける場所が増えただけ、モノも増えていき、相変わらずモノが散乱する部屋となってしまった。


そこで一念発起、新たに本棚をまた買い足し、それによって仕事をするための結界のような空間を作り、せめてその中だけはすっきりとしてスペースにしようと頑張っているのが現状だ。


しかし。いまキープしているモノが本当に必要なのかと問えば、恐らくはその八割ぐらいが不要ということになるはずだ。パレートの法則はこんなことにもきっと当てはまると思う。本や資料を溜め込んではいても、それらを読み返すことはまずない。本については子どもに残してやれる唯一の財産になるかもしれないから捨てずに置いておこうと考えているが、資料にと取ってある雑誌類はまずゴミである。


そうしたゴミを全部捨ててしまい、机のまわりを必要なものだけにしてしまえばどれだけすっきりするだろう。ついでに家の中も何もかも見渡して、さらには暮らしている環境も見直して、所属しているコミュニティやら何やらを全部、いったんチャラにしてしまったらどんな気分になれるのだろうか。


おそらく、何もかもを捨ててしまえば、ぽっかりとしたスキマが物心両面にできるはずだ。そのとき開いてしまった空間を埋めるためにまたせっせとモノを集めることになるのだろう。ちょうどパソコンを買い替えたときに、またいろんなファイルを「これは後で役に立つかもしれない」と貯め込むのと同じように。


これはリスタートである。まっさらな気分でとまでは行かないにしても、ちょっとした心機一転にはなる。だから、無理矢理にでも定期的に要らないものを捨てることは、とても大切な作業だと思う。そうやって要らないものを見極めるためには、その時点で自分に必要なモノを自分で再確認しなければならない。それが捨てる効用の一つ。そして捨てる効用はもう一つある。


捨てることによって、新しいものを受け入れる空きができること。逆にいつまでも何も捨てずに生きていくのは、もしかしたら新しいものを受け入れるスキマを自ら狭めることになるのではないだろうか。そう思えば、せめて一ヶ月に一回で良いから「捨てるモノを選んでまとめて、ゴミ出しする日」を設定することが必要なのかもしれない。もうすぐ、大掃除もしなきゃいけないし、それまでに一回捨てる日を作ってみよう。


昨日のI/O

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