動画活用元年


http://jp.youtube.com/user/lennyemijapan


公式サイトである。EMIミュージックジャパンはYouTubeに公式チャンネルを開設している。ここで洋楽のプロモーションビデオやライブ映像などが公式に配信されている。上記はLenny Kravitzの公式サイトだ。Lennyぐらいの人気アーティストなら山ほど動画が投稿されていると思いきや、さにあらず。YouTubeにアップされている動画16本のうち11本が公式サイトのものとなっている(2008年1月21日6時36分現在)。


公式サイトということはおそらく、EMIミュージックジャパンは何らかの対価をYouTubeに支払っているはず。だから、違法投稿ビデオは厳しくチェックされているのではないだろうか。見た目も公式サイトは、それなりにカッチョいいし(個人的な趣向ではの話ですけれど)。とりあえず差別化になっている。


かと思えば、こんなチャンネルもある
http://jp.youtube.com/user/gurunavi


これは『ぐるなび』の公式チャンネル(ブランドチャンネルと呼ばれているようだ)である。ここにはたとえば、中華の鉄人・陳健一が教える「本場の麻婆豆腐スペシャルテクニック」といったビデオがアップされている。内容はそのタイトル通りのもの、陳健一さんが麻婆豆腐のつくり方をていねいに教えてくれる。


このサイトでは

レシピ関連情報のほか、同社サービスのプロモーションキャラクター「ダンシングヨハン」の動画など(日経産業新聞2008年1月16日付2面)。

が配信されている。


このサイトからは「ぐるなび」へのリンクがあり、動画を見に来たユーザーが「ぐるなび」へと誘導される仕組みがはめ込まれている。個人的な感想をいえば「ぐるなび」ぐらいのメガサイトともなれば、YouTubeからのリンクで今さらサイト認知度を高める必要はないように思う。だから、YouTube公式サイト開設の狙いはほかにあるのかもしれない。


今のところまだYouTube内でもブランドチャンネルと公式チャンネルの整理がついていないようで、ユーザーからするとかなりややこしい。たとえばこの「ぐるなび」のサイトはYouTubeでは「ブランドチャンネル」と呼ばれるそうだが、この「ブランドチャンネル」でキーワード検索をかけてもヒットしない。


逆に冒頭で紹介したLenny Kravitzのサイトは、新聞記事(上記参照)では公式チャンネルと紹介されているが、YouTubeで「公式チャンネル」でキーワード検索をかけた結果には出てこない。もしかしたら、こうしたシステムが実装されてからまだ日が浅いのでYouTubeサイドでもうまく対応できていないのかもしれない。


とはいえYouTubeをプロモーションメディアとして活用する動きが加速していることは間違いないだろう。YouTubeについてはこれまでにもさんざん書いてきている(今回がシリーズ14回目だ)。ざっと紹介するだけでも、YouTubeはCM配信メディア、社内報メディア、会社案内メディアになる。あるいは機械の整備方法などを撮影しておけば、現場でのビデオマニュアルとして使うことも可能だろう。しかも無料で。


制作コストを別にすれば、これまで印刷物で流通していたコンテンツはすべてYouTubeを使って動画配信することが可能だ。つい先日のエントリーで書いたように(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20080116/1200439577)、今年はケータイの活用法、YouTubeの活用法に長けたところがプロモーションをメインとする企業コミュニケーションで費用対効果をこれまでとは大きく変える可能性のある一年となりそうだ。


特にこれまでなら予算の関係で動画メディアを使うことなどまったく想定外だった規模の企業が、動画配信に参入してくるのではないだろうか。しつこいようだけれど、YouTubeは無料で動画を配信できるメディアである。これを有効活用しない手はないと思う。




昨日のI/O

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高見のっぽ氏インタビューアウトライン原稿
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メルマガ最新号よりのマーケティングヒント

「人の商品化」
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高島屋の福袋に隠された狙い」
http://www.insightnow.jp/article/893

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