「格安ランチ」の逆張り作戦


ご飯250グラムで250円


といっても、もちろん白ご飯に梅干しといった貧相な弁当ではない。これで肉じゃが、酢豚、チキンカツなどメインのおかずは十五種類の中から選べるのだ。さらには少量とはいえ総菜や漬け物なども付くという(日本経済新聞2008年1月29日付)。


250円といえば、コンビニでおにぎりを買ったとして2個分である。おにぎりが一個でどれぐらいのご飯の量になるのかは知らないが、250円でご飯250グラムにおかず&総菜+漬け物の方が圧倒的にコストパフォーマンスが高いであろうことは想像に難くない。


実はこの250円弁当には仕掛人がいるらしい。商業コンサルタントの渡辺一紀氏である。渡辺氏の指導でこの250円弁当を展開する店は、全国で約百店舗にまで広がっているという(前掲紙&http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/02/250_3.html)。ちなみにここに挙げたサイトからのリンクをたどっていくと、250円弁当の画像を見ることもできる。それを見る限りでは、これが250円なら確かに値打ちはあると思う。


とりあえずランチ代をいかに安くあげるかが、一部のビジネスパーソンにとっては重要な関心事となっているようだ。原油価格高騰のしわ寄せが遂にはお昼ご飯代にまで影響を及ぼしてきたのだろう。一昔前にはマクドの59円バーガーに救いを求めるサラリーマンがたくさんいた。うまいまずいは措くとして、ハンバーガーとコーヒーを頼んで200円以下に抑えられるランチに、強力なコストメリットがあったことは確かだろう。ハンバーガーなら意外にボリュームもあるしね。


しかし今やマクドでもハンバーガーは100円である。ハンバーガー&コーヒーをとるか、ご飯たっぷり+一品魅力的おかず付きの250円弁当をとるかと迫られれば、やはりお弁当に軍配を上げたくなるのは自然の理ではないだろうか。


個人的には、昼食は自宅である。ちょうど一年前ぐらいのエントリーで「昼メシ断ちの一石四鳥(→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20070113/1168645768)」なるエントリーを書いているので、昼メシ食ってちゃマズいかとも思うのだが、仕方がない。今年は朝食を抜いているのである。だから昼ともなると腹が減って仕方がないのだ。


話しが逸れたが、昼メシを家でいただくときは麺類が多い。多い時で週に4日ぐらいはうどんを食べている。たまに外に出たときには、たいてい吉牛(特盛り&卵)、王将(ムーシーロー&餃子&ライス)といった普段のあっさり系昼ご飯に対する反動的こってり系となることが多い。王将に行けばランチコストは800円ぐらいだ。


仮に週に2回、この手のランチを食べるとすれば、そのコストは一週間あたり1500円ぐらいになる。250円ランチを5回食べるよりも高く付く。と考えれば、いかにこの250円弁当のコストパフォーマンスが高いかがよくわかる(といっても実際に食べたことがないので、味の方がどうなのかはわからないのだけれど)。


日本経済新聞社の調査によれば

平日の昼食にかける金額をたずねたところ、二、三年前に比べ「減らした」と答えた人が二二%いた。「変わらない」は六七%と過半を占めたが、「減らした」人は「増やした」人を一〇ポイント上回った(前掲紙)。

という。


そろそろ戦後最長景気の波も落ち込み始めているのではないだろうか。とはいえ、お昼ご飯は、一日の中での中ぐらいの楽しみの一つである。と考えれば、ここはいずれ揺れ戻しが来るとも考えられる。つまり「いつまでも、そんな安い昼メシで毎日がまんしていられるかい!」と考える人が、きっとそのうち出てくるという読みだ。


この人たちを狙うなら、路上売りのお弁当で良いから『絶対安心。国産の素性のよい無農薬素材だけを使った、ヘルシー・デリシャスお弁当』1500円也、ぐらいを出してみるのもおもしろいと思う。毎日たくさんは売れないかも知ないけれど、確実に固定客は付くのではないだろうか。それにあまたの路上お弁当屋さんとは明らかな差別化にもなる。


中国産の餃子を食べて中毒症状が出た(→ http://www.asahi.com/national/update/0130/TKY200801300347.html)なんてニュースを聞くと、個人的には口にいれるものに関しては値段云々より、やはり何より安全性が一番だと思うのだけれど。だからといって、食べるものを一々チェックすることなど、特に外食ではできないわけだ。そうなると「信頼できるお弁当屋さん」というブランディングは強力な武器になると思う。



昨日のI/O

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『本質を見抜く考え方』中西輝政
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某計器メーカー・取材原稿
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昨日の稽古:

・餅つき(これも稽古だと思えばいろいろ考えながらやれました)