なぞの『のど自慢』


ずっと以前から不思議で仕方がないテレビ番組がある


NHKの『のど自慢』である。毎週日曜日、たしか正午過ぎ(ニュースの後)に始まるこの番組はなんと、NHKが放送を開始した1946年以来ずっと続いているお化け長寿番組でもある。もちろん最初はテレビ放送がまだ始まっていなかったのでスタートはラジオ番組だった。


ウィキペディアによれば

番組の企画者は、『NHK紅白歌合戦』も企画立案したNHK音楽部の名プロデューサー、故・三枝嘉雄(健剛)。作曲家・三枝成彰、ドラマディレクター・三枝健起の父である。
1946年1月19日にラジオ番組「のど自慢素人音楽会」として、東京都千代田区内幸町のNHK放送会館から午後6時(18時)から1時間30分、公開放送されたのが始まり。テレビ放送は1953年3月15日午後2時(14時)から2時間放送したのが始まりであり(ラジオと同時公開放送)、当初はスタジオのあった東京での公開のみ放送された。

とある。


これの何が不思議かといえば、60年もの間、日本全国をくまなくまわって作られている番組のはずなのに、個人的にはまったくリアリティを感じられないことが「変」なのだ。この番組に出演する素人ののど自慢さんは毎回20組。ただしこの人たちは予選を勝ち抜いて来た人たちばかりで、予選にはだいたい250組の人たちが参加しているらしい。ということは、年間にならせばざっと12500人の人たちが毎年、予選に参加していることになる。


このシステムが仮に50年続いているとしたら、それだけで約60万人近い関係者がいるはずだ。が、残念ながら私の周りにはそうした関係者はまったくいない。


もとより関係者は歌い手だけではない。この番組は毎回、公開生中継されている。お客さんだってたくさん見に行っているのである。仮に一会場で1000人のお客さんが入っているとしよう。これも年間にならせば、ざっと5万人となる。ということは過去50年なら250万人である。ところが私の知人・友人・親戚を含めて、この番組を見に行ったという経験を持つ人は一人もいない。


もちろん、こうした個人的体験をもって「この番組が虚構だ」などと主張するつもりは毛頭ない。『のど自慢』は間違いなくほぼ毎週、日本のどこかで開催されていて、そこには参加者がきちんと20組おり観客だってちゃんと入っている。実際に参加者の中にはプロデビューする人たちもいるぐらいなのだ。資料によればテツandトモ石澤智幸kiroro玉城千春などは、この番組でチャンピオンとなったおかげでデビューしたそうだ(まったく知らなかった)。


とはいえ、やはり自分にとってはリアリティがない。まったくない。これまでに大まかにいって日本人の300万人が関わったことのある番組なら、いくら自分の知人ネットワークが小さくて偏っているとはいえ、その中に一人ぐらいは「あっ、それ見に行ったことあるよ」とか「たしか、おばさんが行ったことあるって言ってたな」という人がいてもよさそうなものではないか。


とても不思議である。


一体、どうなんでしょう。このブログをお読みの方の中で、何らかの形でこの番組と関わりをお持ちの方はどれぐらいいらっしゃるのだろうか。謎といえば、この番組の費用対効果がどうなっているのかとか、視聴率はどれぐらいなのだ、とか。ゲスト歌手に支払われているギャラ問題なども気になるところだが、そうした疑問に対する開示資料はNHKサイドにはないようだ。





昨日のI/O

In:
『女は何に欲望するのか/内田樹
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昨日の稽古:

・カーツトレーニング、懸垂