ものすごく好感度の灘中生、灘高生


合格最低ライン偏差値64以上


息子が通っている塾では、灘中学校に合格するためにこれぐらいの偏差値を求められる。この塾ではざっと上位10%ぐらいに入っていないと、灘への合格は覚束ないというわけだ。かなりなハイレベルである。残念ながら現時点での息子の学力では難しいと言わざるを得ない。


が、彼は父親同様、なかなかあきらめの悪いところがあり「実際に灘校をみて、よっしゃー、ここ行きたいと思ったら、思いっきり頑張る気になるかもしれへんやんか」とかいう。そこで連休に開催される同校の文化祭をのぞいてきた。学校自体はごく普通の建物である。シルクロード博のおかげで移転し、広大な土地に新校舎を建てた私の母校よりずっとみすぼらしく、昨夏取材に訪れた奈良学園登美ケ丘校舎の快適さなどとは比べ物にならない。


よくいえば伝統が感じられるということになるのだろうが、少なくとも中学生が学ぶ旧校舎はかなり年期を感じさせる建物である。これは数年後には改築が予定されているとのことだった。ちょっと意外に思ったが、同校のモットーがたしか質実剛健、精力善用だったことを思い出して納得しもした。


校舎内ではいろいろな研究会、同好会が展示やアトラクションをしている。運営しているのは生徒がほとんどで、先生の姿はない。いくつかの展示を見て回って強く感じたのが、灘校生のまともさ、である。よその学校の生徒を評して「まとも」という表現は、もしかしたら失礼になるかもしれないので、ひと言断っておくと、それはものすごく好感度の持てる「まともさ」である。


校庭で場所を聞いたときの、おそらくは高校2年生ぐらいの生徒の答え方、あるいはミリタリー研究会の展示室でジオラマの説明をしてくれた部長さんの話方。なんというか嫌みがまったくなく、とても素朴に素直である。母校の悪口は言いたくないが、自分が高校生だった頃に比べれば、雲泥の差がある。


そう思って彼ら灘校生の様子をよく見ると、まずファッションが独特である。何というか、確かに今風ではあるのだが、きっちり今風ではない。かといってダサくもない。意識してやっているのなら、さすがに頭の良い子たちだと思わざるを得ないのだが、いまいちばんカッコいいスタイルはちゃんと知っていて、でも、わざとそこから少しだけダサくしたような格好をしている子が半分ぐらいだろうか。


残りの半分は、そういうことにはあまり興味はないけれども、とりあえずもっさいと思われるような装いだけはやらないよ、といった趣である。そこそこにはお金がかかった身なりではあるのだろうけれど、決してそんなことは臭わせない。Decentという表現がたぶん、いちばんピッタリ来るのだろう。


もとよりみんな、たしかに賢そうではある。が自分の賢さを鼻にかけた嫌みはない。むしろ、おとなしそうとか素直そうといった言葉があてはまるような子どもたちの方が圧倒的に多い。これは結構、意外だった。


もちろん少し引いて考えるなら、そもそも「文化祭なんて、たるいこと、やってられるかよ」的生徒たちが会場にいるはずもないので、そうした灘校生を目にしなかっただけなのかもしれない(まさか灘校の場合、文化祭は全校生徒絶対参加、といったイベントであることはないだろうし)。


ただ、我が身を振りかえってみると、文化祭イベントに参加はしたものの、高校時代の自分が灘校生のようなフレンドリーな態度を醸し出していたとは到底思えない。まわりにいた同級生たちも、そりゃ確かに愛想の良い奴も三分の一ぐらいはいたけれども、決して愛想が良いとは言えないのが三分の一ぐらいで、むしろ積極的に愛想が悪いのも三分の一ぐらいはいたのではないだろうか。


という自分の高校時代と比べては失礼だし、30年以上もの時間が決定的に時代背景を異なったものにしている可能性は高い。それでも灘校の好感度はすごく高かった。もしかしたら私の母校も今ではすっかり昔と雰囲気が変わっていて、灘校生みたいに感じの良い子どもたちばかりなのかもしれないけれど。




昨日のI/O

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