お一人様はDropboxを使うべし


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Dropboxである(→ https://www.getdropbox.com/)。これぞ、お一人様のための最終兵器である。こんな便利なサービスを使い始めると、もうこれなしで仕事を進めることは不可能になる。ある意味、麻薬的に強力な引力を持つサービスだ。


しかも無料で2GBまでのファイル容量を割り当ててくれる。個人的には近いうちに年間約100ドルでの50GBサービスにアップグレードするつもりだ。


このDropboxをひと言で表すなら、オンラインストレージとなる。が、そんなわかったようなわからないようなまだるっこしい言葉は、このすばらしく便利なサービスには似つかわしくない。個人的には、自分のファイルへの『どこでもドア』と呼んでみたい。


どういうことか。


どんなファイルであれ(つまりごくシンプルなテキストファイルからExcelやWordなどのOffice系ファイルはもちろん、IllustratorやScrivnerなどのファイルまで)、このDropboxにさえ放り込んでおけばよい。するとネットにつながりさえすれば、どこからでも必要なファイルを取り出して作業できる。


例えば仕事場にはiMacがあり、モバイルとしてiBookを持ち歩いている場合なら次のような案配となる。いま、まさに自宅のiBookで書いているこの原稿をDropboxに保存する。そのときネットにつながっていれば、書いた原稿は自動的にネットの向こう側にあるDropboxさんのサーバーに保存される。


原稿を書きかけのままで大阪に打合せに行くとする。電車の中で思いついた続きを書く。このときはネットにつながっていないので、iBookのデスクトップ上にあるDropboxのフォルダーから書きかけのファイルを呼び出して上書きしていく。帰り道、京都へ向かう電車の中でさらに推敲を加えて原稿が一通りまとまったとしよう。ここまではネットにまだつながっていない。


いったん自宅に戻って荷物を置き、ついでに一瞬だけネットにつなぐ。これでローカルの(ネットにつながっていなかった状態の)Dropboxフォルダーがネットのあちら側にあるサーバーに同期される。つまり電車に乗っている間にせっせと書いた「この」原稿がDropboxのサーバーにアップされる。


そのおかげで手ぶらで仕事場に向かい、ついでにブラブラ歩きながら頭の中で最後の推敲を加えて、いよいよはてなダイアリーにアップするための仕上げに入る。仕事場で使うマシンはiMacである。とはいえiBookで書いてきた原稿はUSBに落としているわけでも、メールで自分あてに送ったわけでもない。もちろんCDに焼いたりするはずもない。


仕事場のiMacを立ち上げ(=ネットにつなげ)れば、あら不思議,iMacのデスクトップに置いたDropboxフィルダーの中には、つい先ほどまでiBookで書き連ねてきた原稿がちゃんと入っている。だから、後はこれに散歩推敲を加えれば原稿は完了。あとははてなに上げるだけだ。


ということをブログのためのテキストファイルに限らず、ありとあらゆるファイルで同じことができるわけだ。これがお一人様の生産性をどれだけ向上させてくれることか。


お一人様は、あらゆる場所を仕事場としなければ食べていけない。何しろ取材が入れば万難を排してでも取材場所に向かわなければならなず、企画会議などでお呼びがかかれば、何を措いても参加しなければならず、もちろんコンサルまた然りでクライアント訪問せずして、何をサポートできるというのか。


というぐらいにフットワークを軽くしてこそ、声をかけてもらえるのがお一人様である。が、同時に受けてきた仕事をこなすのもまた自分である。誰かが替わりにやってくれるわけではない。となると、いつ、どこへ行くにもiBookを抱えていなければ時間がまったく足りない。むしろ移動のスキマ時間こそは、意外にいろいろな仕事にとりあえず手をつけるための絶好の細切れ時間となるのだ。


そうやって外出先であちらこちらに書き溜めたメモの断片を、仕事場に戻って原稿や企画書、あるいはExcelの分析シートなどに集約していく。そこで問題となるのがデータの移し替えである。


これまではバックアップの意味も兼ねて、こまめにUSBにデータを落としていた。が、案件が輻輳してくると、これがとても面倒くさいのだ。そして面倒くさいと思いながらやっていると、データがごちゃごちゃになるリスクを免れ得ない。必要なときに最新データがなかったり、最悪のときには書いたばかりのデータを消してしまったりする。


といった問題がDropboxにすべてのデータを放り込むことできれいさっぱり解消される。ファイルを作成したアプリケーションとネットにつながる環境さえあれば、極端な話、どのパソコンででも作業を続けることができる。


もちろん、リスクもある。もしDropboxさんが機嫌悪くなってサーバーが落ちでもしたらお手上げだ。何らかのトラブルでネットにつながらないときも困ったことになるだろう。とはいえ、もうDropboxなしで仕事を進めることなど考えられない。ぐらいに、魔力的な魅力をもったサービスがDropboxである。


いや、これは、お一人様に限らずあらゆるパソコンユーザーにお勧めするすばらしいサービスである。ファイル共有とかもできて、ほんと、ヒジョーに便利だ。


昨日のI/O

In:
『多読術』松岡正剛
Out:
京都大学・松林教授インタビュー原稿
某社ソフト販促用パンフレット

昨日の稽古: