サーキット走行初体験


1周5.824km


シケインから始まり、130Rから西ストレートを一気に下っていく。スプーンカーブではギアを落とし、ヘアピンへは緩い下り。抜けて下りを一散に駆け抜け、デグナーで少し上った後はダンロップ、S字を抜けて第一コーナーまで一気に下っていく。そしてストレートの上り。


さて、どこのサーキットでしょうか?


これがすぐにわかる方は、相当なレースマニアではないか。本来のコースレイアウトは、実はまったく逆。第一コーナーから始まってシケインで終わりホームストレートへと続く。


といえばぴんと来る方もいらっしゃるだろう。ここはオートバイ乗りの聖地、鈴鹿サーキットである。いつかはスズカを走りたい。自分なりに目一杯、攻めてみたい。バックストレートでは6速フルスロットルをやってみたい。いつかきっと。


と28年ぐらい前には真剣に思っていた。特に大学5回生でRZサンパンに乗り換えた頃には。が、夢は叶うことなく、いつしかバイクにも乗らないようになり、あと数ヶ月で齢50に達しようというタイミングで、まさかスズカを走るチャンスに恵まれるとは思いもしなかった。


そう、昨日「ススカ8時間エンデューロ」に参加したのだ。8時間耐久レースである。まぐまぐの大川社長にお誘いいただき、マシンまで貸していただいた。残念ながら我がチームは6時間でリタイヤしたが、スズカ初体験は相当多くのアドレナリンを体の中にまき散らしたように思う。



何しろ抜かれたら、抜き返さずにはおくものか。と思うではないか。抜いていく相手が女性だったりしたらなおさらのことだ。昨日のレースは男女混合である。それどころか参加者の年齢の幅も極めて広く、最年少ライダーとなると小学校1年生ぐらいの女の子もいる。逆に明らかに還暦を迎えられたような方も走っている。


本格的なマシンを用意し、颯爽とした出で立ちで決めているエリートライダーがいれば、ごく普通のママチャリに作業服姿の普段着ライダーもいる。当方はといえば、短パンにTシャツ、シューズは3足1000円のカンフーシューズもどき、ブランド名「天下無双」で決めた。さすがにヘルメットなしではコースに出ることを許されないので、レース前日に近くの自転車屋さんで手に入れた。


なんと言ってもサイクルエンデューロなのだ。我がチームにとって最大の悩みは、レース用の自転車調達だった。たまたま家にあるミニサイクルなら何とか持ち込むことができる。これで走るかと考えていたところ、大川さんのご厚意でミニサイクルではあるが、本格仕様のマシンを貸していただけることになった。


これがタイヤは小さいけれど走る、走る。8段ぐらいの変速機がついていて、車体が軽いからトップスピードはなかなかのもの。もしかしたら40kmぐらいは出ていたかもしれない。というか体感速度は、もっとあった。下りなんぞは、ぴゅんぴゅん先行車を抜いていけるのだ。それ故、抜かれると「なにくそ!」とペダルを踏む足に力が入る。


が、連続走行は3周が限度だった。都合17キロぐらいか。何しろ高低差が結構ある。下りやよいよいだが、上りはばてばて、である。難所は二カ所。まずホームストレートからシケインへの上りだ。これがきつい。ピットロードから出るのは交代直後であり、まだ体力があるからそれほど苦にならない。


しかし周回を重ねるとなるとホームストレートをまるまる、疲れた足に力を込めて上っていかなければならない。シケインの上りなどはもっとも軽いギアにして、ほとんど止まっているようなヨロヨレ状態である。もう一つきついのが、西ストレートを下ってからスプーンカーブへの上り。


私が走っているときにはどういう案配か、せっかくの下りでも強い風がまともに正面から吹き付けてきたりして、なかなかつらかった。結局、合計で4周しか走れなかったが、これでほぼ体力の限界である。結果、我がチームはトータルで14周、約6時間弱でのリタイヤに終わった。


しかし、あこがれの聖地を駆け抜けたライブ体験は、ダンロップから第一コーナーへと続く下りを攻めた感覚は、体中で感じた風は、目に迫ってきたコースの路面は、体全体にほとばしり出たアドレナリン感は、きっちりと残っている。


すばらしい体験をさせていただきました。大川社長、ありがとうございました。


昨日のI/O

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