ネオおじさんモードの仕掛け人は?



計画比150%


ラクダのシャツが売れているらしい。ほんまかいなと思うのだが、グンゼが出したベージュのシャツは「縫い目もなくYシャツの下に来て透けない点がおしゃれな男性に受け、初年度は計画比150%の売れ行きとなった(日経MJ新聞2009年10月7日付28面)」そうだ。


ラクダですよ、ラクダ。思い返せばちっちゃい頃、冬になると親から「風邪を引かないように、あったこぉせぇ」といわれて、無理矢理はかされたラクダのパッチ。あれを小学校の友だちに見つけられたときの恥ずかしさは、今でもトラウマになっている。「わぁ、こいつ、カッコ悪。ラクダのパッチはいとるやんけ!」とかはやし立てられ、挙げ句の果てには「パッチ男」なんてあだ名まで付けられて。


それが「おしゃれな」男性に受けているというのだから、時代は変わるものだ。それだけではない。「ネオおじさんモード」なる言葉が作られている。誰かが仕掛けているのだろうが、それに見事に乗っている(乗らされている、踊らされている)人たちもいるようだ。


ポイントは三種の神器。七三分け、カーディガン、大ぶりな眼鏡だ。カーディガンに関しては「メンズノンノ」で特集が組まれたようだ。七三については、資生堂が最近出した整髪料「ウーノ フォグバー」のCMに出てくる今どきイケメン4人が、新しい七三をアピールしているらしい。そして眼鏡は50年、60年代風デザインの大ぶり、プラスチックフレームが受けている。


時代は変わる、あるいは回る。といっても、その昔こうしたファッション(というか、当時は正確には服装とか洋服といったはずだが)を身にまとっていた人たちは、オシャレして着ていたわけではないだろう。うちのもう亡くなってしまった父親なども、ちょうどこんな格好をしていた。が、それはファッションではなく、それぐらいしか選択肢がなかったからだ。


それが、一巡りしてファッションとなる。誰かが言い出したのだ。といって、こうしたスタイルが海外で流行っていると聞いたことがない。だから日本のトレンドリーダーの誰か、あるいはどこかのアパレルメーカー、もしくは雑誌あたりがメーカーと組んで仕掛けているんじゃないだろうか。


ということの方が気になる。流行っているからといって眼鏡を代える気にはならないし、カーディガンとかもきっとサイズは合わないだろうし。ラクダのシャツにはトラウマがあるし。


少しだけやってみようかなと思ったりもするのだが、さて。「おじいさんに近いおじさんが、ネオおじさんモードをまとえば、少しはお兄さんぽく見えたりするものだろうか?」などと悩まないでもない。


とはいいながらも記事に曰く「ただし、『ダサさと紙一重』なので、ぎりぎりのさじ加減をお間違いなく(前掲紙)」ということであれば、手を出さないのが無難なのだろう。



昨日のI/O

In:
『絶望の精神史』金子光晴
Out:
某上場企業さま株主通信用原稿
広報さん取材原稿

昨日の稽古:

カーツ階段ダッシュ、懸垂、レッシュ式腕立て