Mac進化論


このエントリーは、R+さんから送っていただいた献本『MacPeople12月号』のレビューです。


漢字トーク6.07


といっても、何のことだかわからない人がほとんどだろう。あるいはかつて「Kyoto」と名付けられたフォントがあった、などと言い出したりすれば、嘘つき、とかいわれかねないな……。


ともかく、その頃務めていたデザイン事務所に、初めて入ってきたのがこの漢字トークで動かす「Mac Classic」だった。といっても、まだまだおもちゃの域を出るものではなく、ただただゴルフゲームで遊ぶばかりだったが。これがほぼ20年ぐらい前の話で、その一年後ぐらいに今度は「?fx」なるマシンが入ってきた。これがメモリー8MBでハードディスクが80MBぐらいだっただろうか。


バブル全盛期だったとはいえ相当な投資だったことは間違いなく、21インチのモニターにプリンターを付けて「600万円もするねんで、しっかり稼いでや」と社長に言われたことを覚えている。以後、Mac一筋で使ってきたマシンの数、合計13台。今使っているiMacは?fxに比べて、メモリーなら500倍、ハードディスクなら2万倍ぐらいになるのだろうか。


持ち歩き用にと先日買ったばかりのMacBookProにしても、ほぼ同じぐらいのスペックを持っている。それでいてコストは最初の?fxの40分の1程度だから、この間のハードの進化はほんとうに恐ろしいばかりだ。


では、ソフトはどうなのか。


実は極めて慎重派というか、石橋を三度叩いて一歩下がりためつすがめつした末に結局後戻りするタイプというか。とにかく仕事で使うマシンともなれば、初期不良は絶対に困ると考えるゆえに、最新OSが出たからといってもこれまでは決して飛びついたりはしなかった。おかげで今年の引っ越し前まで時々DTP仕事に使っていたPower Macなどはずっと、漢字トーク7.5.5で動かしていたぐらいだ。


現在のメインマシンiMacにしても、未だにOSはTigerである。最近手に入れたMacBookProも今ならまだLeopardが手に入ると思ったからこそ買ったのだ。ところが、届いたMacを立ち上げてみると、これはSnow Leopardだった。OS10.6である。Leopardさえ知らないのに、一気にSnow Leopardなんて使えるのか。


使えるのである。これがMacのえらいところで、ひとたびMacユーザーとなればその人は、現在過去未来を問わずどのバージョンのMacでも、例えそれが古の漢字トーク6.07であったとしても、おそらく何の迷いもなく使えるだろう。それぐらいMacユーザーインターフェイスはよく考えられている。


とはいえ、新しい機能がてんこ盛りのSnow Leopardはどうなのか。これも、とりあえずこれまで通りの仕事をする分には、マニュアルを読む必要さえない。昔なら少しは苦労したネット接続の設定も、ケーブルを差し込めばほとんど何もしないままにつながる。便利なもんだ。


と機嫌良く使っているところで届いたのが『MacPeople』誌だった。見れば実にタイミング良くSnow Leopardについての特集記事があるではないか。そのタイトルもずばり「MacOS X至極のテクニック」である。じっくり読んでみて正直、驚いた。


以前からMacを使っていて、こんなことができたらいいなあ、こういう風に使えたらもっと便利なのに、と思っていたことが、Snow Leopardではほとんど実現されている。例えばDockの操作をキーボードでできるとか、Exposeもショートカットキーで扱えるとか。


基本的にできることは何でもキーボードを使ってやりたい人間が、喜びそうな機能をほとんどすべて網羅している。これらの便利な機能は、もし『MacPeople』と出会っていなかったら、知らないままに終わっていたはずで、それはもったいないことこの上ない。これからはせめて新しいマシンを買ったときぐらいは、それに関する解説をきちんと読まないといかんと反省する次第。


というか、最新機能がいろいろ盛り込まれていて便利になっているMacをきちんと使いこなそうと思うのならやはり、暇があればぱらぱらめくって読める雑誌メディアで情報をちゃんと仕入れるのがいちばんだと改めて思った次第だ。


にしても、そろそろ使っている人間のOSもバージョンアップさせたいの正直なところなのだが、さて。何しろメモリはどんどん古くなっているし、ハードディスクには相当ゴミがたまっている。だからといって、パソコンみたいにデフラグをかけるとマシンが止まってしまう恐れがある。困ったものだ。



昨日のI/O

In:
『本に読まれて』須賀敦子
Out:
遠藤保仁氏インタビュー記事
広報さん取材記事


昨日の稽古: