ケーススタディのメリット

BBT on DVD 大前研一ライブお試し版 1,050円

BBT on DVD 大前研一ライブお試し版 1,050円


このエントリーは、R+さんの『BBT on DVD 大前研一LIVE(月フルプラン)』についてのレビューです。前回書いた『鳩山首相への手紙』について大前先生の見解をまとめています。


民主党の生き残りこそが、日本が生き残るための最後のチャンス


大前研一氏は、このように語った。最後のチャンスとは、決して誇張でも何でもない。日本をこのまま放っておくとどうなるのか、日本の未来像の一つは、ギリシアが示してくれている。財政破綻である。


急激な緊縮財政(おそらくは国家予算の半減)と増税(消費税にして20%から30%程度)が、パッケージで実施される。1ドル200円以上の円安(となるかどうかは、ドルの状況にもよるからわからないが)となり、物価は急上昇するだろう。何しろ輸入品の値段が倍以上にはね上がるのだ。


お金持ちたちは、さっさと日本から逃げ出すのかもしれない。企業も、日本でビジネスを続けるメリットがなくなり、自社にとっての最適地に飛び出していく可能性が高い。図らずもグローバル化が一気に進むのだろうが、国内に残される人たちにとっては、地獄絵図が待っているとしか思えない。


そんな世の中にならないために、つまり日本が生き残るためには、民主党が生き残るしかない。そう大前先生はおっしゃるのである。それは自民党に任せてうまくいくはずがないし(日本の現状の惨状は自民党政治のツケであるから)、ましてや自民党を飛び出した小政党に何ができるわけでもない、という見立てである。


ただし、今のままの民主党ではダメである。どこがダメなのか。何よりの問題は、現状が本来の民主党からあまりにもかけ離れた姿になりはてていること。現象としては連立政権であることであり、その理由を探れば小沢氏の選挙戦略に行き当たる。


民主政権が混乱を極めているのは、連立政権で国民新党社民党に好きなように引きずられているからだ。民主党と連立を組む二党の議席数を比べれば、圧倒的な差がある。これの意味するところを民主党は、きちんと考えるべきだろう。すなわち、国民が選挙で支持したのは民主党マニフェストである。国民新党が蛮行した郵政改革逆行を支持していた人が、一体どれぐらいの割合だったのか。


大前先生の提言は「ピュアな民主党に戻ること」である。そのためには、鳩山首相小沢幹事長は即刻退陣し、ピュアな民主党のシンボルとなり得る人物をリーダーとして参院選に臨むことである。参院選単独過半数を取ってしまえば、連立を組む必要はなくなる。しかも、その後3年間は選挙がない。


つまり民主党は、マニフェスト通りに政策を進めることができる。その際に重要なのは、ゼロベースで内政・外交に取り組むことであり、優先順位でいえばダントツのトップ、二番目以降とは大きく差をつけて取り組むべきが、国債デフォルトを避けること、である。


本来やろうとしていた公務員改革を断行し、見せ物としてではなく強制的執行権のある事業仕分けを徹底し、税金の無駄遣いを、それこそ重箱の隅をつつき回してでもあぶり出す。そこまで手を尽くした後に、増税をお願いする。企業成長のための施策を行い、教育改革にも手をつける。


大前先生がおっしゃりたいのは、こういうことだろう。その一々が、よくわかる。これが『リアルタイムオンラインケーススタディ』の何よりのメリットだと思う。つまり、タイムリーなテーマについて、まず大前先生の見解をDVDで見せてもらい、然る後に自分でもそのテーマを追いかける。


このプロセスによって、マスコミの一面的な情報や見方に踊らされるリスクが大きく軽減される。加えて「自分は、どう考えるのか。その理由は何か」を常に意識するようになる。考えた結果を、ブログなどにまとめればさらによい。


そして最終的に、大前先生がもう一度、先生の考え方を披露してくれる。これを見ることで、自分の考え方との違い(私の場合は違いというより、考えの深度というべきだろうが)がわかる。


3ヶ月にわたった今回のプログラムは、自分の思考の質について改めて考えるための、非常によい機会となった。


それにしても、ピュアな民主党のシンボルとなる得るリーダーとは、誰がいるだろう。ここは思いきって、外部招聘でも構わないから、ぜひ40代の方になっていただきたいものだ。グロービス代表の堀義人さんなど適任だと思うのだが、いかがだろうか。



昨日のI/O

In:
『文章がうまくなるコピーライターの読書術』鈴木康之
Out:
S社事業報告書原稿

昨日の稽古:

ジョギング30分