ええことはちゃんと書かな!



日替わりお昼ご飯680円


食べ終わって、非常に腹が立ったので、ひとこと記すのである。近くの鉄板『たちばな』がランチメニューを再開した。ワンメニュー日替わりで、お値段は680円。値頃感ばっちりである。京都に越してきて、間違いなくいちばんたくさん通っている店がランチをやる。これは行かねばなるまい。


本日のごちそうは「若鶏と野菜の甘酢炒め」となっている。小鉢が二品にごはんとみそ汁がつく。


「ランチでよろしいですか」
「えっ、ランチ以外、頼めるのん?」
「いや、ランチだけなんですけど」
「なんや、それ!」
といった、おきまりのあいさつを交わして、待つことしばし。


そもそも、待つことがおかしいではないか。ワンメニューである。注文を聞くや否や、へい、お待ち!ぐらいのスピード感で出てきてよいはず。なのに、出てくるまで少し間があったのだ。といって、待たせすぎちゃうんか、といちゃ紋を付けているわけでは決してないので誤解のないように。



で、出てきたのが、この写真の通り。メインの「若鶏と野菜の甘酢炒め」は、ピリ辛味も効かせてあるようだ。そして野菜のうま味がしっかり出ている。おそらくは玉ねぎ、にんじん、ピーマンなどの刻み方と炒め方の妙を、しっかり考えてあるからだろう。


そこに、ごろんとした鶏肉が5つ、6つほど入っている。これが噛むとじゅわっと系で、でも脂っこくなくて、非常に上品。まさに「若鶏」だからこその味わいだ。


ここに至って、気がつくことになる。少しばかり時間がかかったのは、火の通し加減にこだわったからだろう。意外に鶏肉は火加減次第で、固くなったり、うま味が飛んだりする素材だ。ちょうどよいあんばいに炒めるのは、なかなか難しい。しかも、この野菜のボリュームは、単なる「野菜の甘酢炒め」なんてものではない。


「昼からのお仕事のことを考えて、ボリューム感があって、でもヘルシーになるよう、お野菜をたくさん取っていただきたい」心配りに満ちた野菜の量である。みそ汁、きちんとだしを取って、京風薄味に仕上げてある。


さらに小鉢のうま煮。レンコン、タケノコ、こんにゃくに鶏肉。やさしい味つけで、野菜に少し歯ごたえを感じる絶妙の煮加減だ。


だから、食べ終えて、店を出てしまってから、腹が立ったのである。何に腹を立てているかといえば、表の黒板にである。これは「若鶏と野菜の甘酢炒め」日替わりランチ、なんてものじゃないだろう。それでは、このお昼ご飯を作ってくれた人の気持ちに対して、あまりに失礼ではないか。


これは「お昼からのお仕事がんばってほしいから、むっちりおいしい若鶏とヘルシーなお野菜たっぷりのピリ辛甘酢炒め」、じっくり煮込んだうま煮の小鉢ともう一品の小鉢付きランチ、ぐらいは書いてもらわないと。


じゃないと、あまりにもったいないじゃないか、伝わらないじゃないか。


こんな素敵なランチを、食べることができずに、今日一日を過ごしてしまう室町仏光寺界隈の人たちが、かわいそうじゃないか。誰よりお客さんが損する、お店も売り上げにつながらない、そして心込めて作っている人の気持ちが伝わらない、では、みんなが不幸になってしまいますでしょう。


だから、腹が立ったのである。面倒くさがらずに、せっかく自分たちで考えて作ったメニューなんだから、もう少し、きちんと伝わることばに置き換えてあげましょうね、橘さん。ほんと、頼みますよ。



昨日のI/O

In:
『元気に百歳』元気に百歳クラブ
大阪府立大学・安保副学長様取材
Out:

昨日の稽古: