金縛りと頭の中


来〜る、きっと来る〜


といえば、あの怖い映画。テレビでやっていたのを、指の隙間から見た記憶がある。まだ幼稚園児だった息子と一緒に。彼は「お父さん、なんにも怖ないで」と平気なのだが、こっちは、そうはいかない。目を塞ぐようにしても、見える。おかげで、その後数ヶ月は、風呂にはいるのさえ嫌だった。


それはともかく。金縛りである。


昨年の暮れ、旅先のホテルで久しぶりにやってきた。医学的には「睡眠麻痺」と呼ばれているらしい。まさに誰かが馬乗りになって、首を締めているような感じに襲われる。夢とは思えないようなリアリティ。上に乗っているのは、たいてい「貞子」、あるいは彼女に似た何かである。


そんなときは、何とか声を出さなければと思う。そんな意識はある。だから必死になって、声を出そうとする。そして、実際に声が出たとき(と思えた時? 本当に声が出ているのかどうかは自分ではわからない)に目が覚める。


もちろん、実際にそれがいるわけではない。でも、普通の夢と少し異なる点がある。そいつに襲われてから、目が開くまでのプロセスを奇妙なぐらいはっきりと覚えている。だから、一息ついて、もう一眠りしようとしたときに、その光景がクリアに蘇ってくる。


ややなあ。


旅先で、よく起こる。あと付けのバイアスだと思うけれど、どうも、その部屋に入った瞬間に、何か「嫌な」気配を感じていることが多いようだ。


Wikipediaには、次のように記されている。

睡眠時の全身の脱力と意識の覚醒が同時に起こった状態。不規則な生活、寝不足、過労、時差ぼけやストレスなどから起こるとされる。 脳がしっかり覚醒していないため、人が上に乗っているように感じる、自分の部屋に人が入っているのを見た、耳元で囁かれた、体を触られているといったような幻覚を伴う場合がある。

これからすれば、理由は当てはまっているような、そうでもないような。決して不規則な生活ではない。基本的に毎晩9時前に寝て、3時前にきちんと起きている。だから寝不足でもない。もちろん時差ボケなどない。過労とストレスは、自分では判断のしようがない。ほとんど感じていないが、あるのかもしれない。


要は脳内に『金縛り回路』ができてしまっているのだ。だから、ある特定の条件が揃った時に、再現されてしまうということなのだろう。まあ、あんまりうれしいものじゃない。


今夜の金沢のホテルは定宿で、気に入ってもいるところなので、幸いにして金縛りに襲われることはなかった。でも、いつもなら聞こえない妙な音がするので、めざましをかけていた時間より1時間早く目覚めてしまった。明日というか、今日は教授取材5番勝負なので、ちょっと辛いかもしれない。


にしても、自分の脳みそをなぜ、自分でコントロールできないのか。永遠の謎である。こいつさえ、何とか解ければ、人生変わっていただろうにと強く思う金沢の丑三つ時でした。



昨日のI/O

In:
某大学取材(緑色半導体レーザ・溶解抽出法・FPGA・社会システム工学について)
Out:

昨日の稽古:

ジョギング5キロ