職場旅行のオプションは何か


社員旅行が激減しているそうだ(日本経済新聞7月20日より)。


記事によれば、2004年に職場旅行を実施した企業は13年前に比べ
てほぼ3分の1に減っている。そういえば個人的にも社員旅行はちょう
ど13年前、シンガポールに行ったのが最後じゃなかったっけ。


一番最初に入った会社(すでに21年も前のことになっちまった)では、
当然のように社員旅行があった。確か行き先は長崎。みんなで飛行機、
バスと乗りついで、どこへ行くのも全員一緒。夜は大広間で宴会。新人
はなんか芸でもせんかい、みたいなノリですね。


この「芸」をさせられるのがイヤでイヤで、宴会の途中から隠れてたん
だけど、何せ小さい会社のこと。たった8人(それも男は二人)しかい
ない新人の一人がいなかったら、当然、すぐばれる。芸するのがいやで
かくれてるような奴は絶対に許さん、とかなんとかで、探し出されて大
いに恥ずかしい思いをした。


先輩社員たちは朝からビール飲んで、バスの中で飲んで、昼飯のときも
やっぱり飲んで、その後の移動中にまた飲んで…。ずっと酒飲んでるだ
けやんけという、今にして思えば凄絶な旅行ではあったな。


この会社は飲み過ぎだったかもしれないが、社員旅行なんてどこも似た
り寄ったりだったんじゃないだろうか。そんなもんが廃れていくのは当
たり前だと思う。


とすると旅行代理店、そして旅館などは社員旅行マーケット縮小で打撃
を受けているはずだ。しかし企業サイドからすれば、社員旅行の経費は
福利厚生費扱いだから,旅行をやめたからといって単純に経費削減とは
ならないはず(財務に詳しくないので、間違っていたらごめんなさい。
一定枠までは経費として認められて、もし余ったら税金で持っていかれ
る。だから福利厚生費として使うのか、税金を納めるのかみたいな話じゃ
なかったか)。


何より、そもそも社員旅行の価値は何だったのか。大きく分けて二つあっ
たはずだ。一つは社員相互の親睦を深めること。そしてもう一つは、社
員にリフレッシュする機会を与えて、ヤル気を高めること。


この二つが、いま求められていないかといえば、決してそんなことはな
いはずだ。だから現状は予算枠もないことはないのにニーズに応えられ
るプランがないということになる。もう一歩突っ込むなら、親睦はとも
かく社員のヤル気を高めてくれるのなら、ある程度のコストはかけよう
というのが、まともな考え方だろう。


要はコストのかけ方ではないのだろうか。全社員に対して一斉に、とい
う考え方をするとイコール社員旅行とパターン化された結論につながる。
でも考え方を変えて、3年ぐらいのスパンで、社員一人ひとりのリフレッ
シュやモチベーションアップを図るとなるといろんなオプションが見え
てくる。


リフレッシュのカギは非日常性。モチベーションアップのカギは刺激。
となると演出的な要素をいかに持ち込むかがヒントになるんじゃないだ
ろうか。そう考え方を変えれば旅館という器だって、まだまだ使えると
思うし、旅行代理店が持っている資産の中にも、いくらでも提案要素は
あると思うんだけどな。








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