iGTD、画期的に便利!

atutake2007-05-23



Think for one hour every day


『HOW TO BECOME CEO/Jeffrey.J.Fox』米・Vermillion(ISBN 009182661-6)、8章のタイトルである。別にCEOを目指しているわけではなく、仕事を効率的に進めるやり方をいろいろ勉強しているときに出会った一冊の中に、こう書かれていた。


「毎日一時間考えよ」
これからの計画、夢、企画、計算などに毎日一時間を費やせ。選択肢を吟味し、問題をじっくり考えよ。アイデアを書き留めよ。いかに課題をこなしていくか、そのプロセスを解明せよ、と。


ふ〜んと思ってやってみたけれども、これがなかなか難しい。二年前ぐらいにチャレンジしてみて、結局は二週間も続かなかった。たったの一時間を集中して考えることに時間を費やせなかったのだ。そんなにたくさん考えることがない、わけではない。目の前に迫っている締切、今週中にやらなきゃならないこと、締切は来週だけれどもできるだけ前倒してで手をつけておいた方がいいことなど仕事に関してだけでも考えるべきことはいくらでもある。


もう少し長いスパンで見れば、たとえば今年の夏休みには家族で●●へ行きたいんだけれど、さてどうしたらいいのだとか。あるいは夏休みといえば寺子屋の合宿は、どこへ何をしに行くんだといったこともそろそろ計画しておかなければならない。


さらに視線を先に伸ばせば、今年中に事業収支を劇的に改善するにはどうすればいいのだとか、もっと先のことを望むなら、今のところの夢となっている55歳での中国漢字源学習留学はいかにすれば実現するのかとか、いやそれまでに引っ越しは一体どう考えておるのかとか、はたまた年々老け込んでいく両親の世話をいつごろから、どこで、どうしていけばいいのか、等々。


公私にわたり、短期長期、本当なら考えることはいくらでもあるのだ。


もちろん、そうしたことをぼんやりと頭に思い浮かべてぼやっと時間を過ごすだけならできなくもない(たぶんすぐに飽きるだろうけれど)。しかし次々に浮かんでくる思いつきを頭の中でとりとめもなく流しているだけでは、考えていることにはならない。考えたことを書き留めて、つまり外に出してみて初めて考えは深まりもし、まとまってもいく。


ところが、毎日いろんなコトを考えては、それを逐一書いていくというのもかなり難儀なことである。まず何に書けばよいのか。お気に入りのMoleskinノートに万年筆で手書き、も悪くはないが(実際最初はこのパターンでトライしてみたのだが)、キーボードで書く(打つといった方が正確ですね)のに比べて、時間がかかりすぎるのが致命的な欠点となる。じっくりと考えに考え抜いて珠玉の一文を書き連ねていくのなら手書きでもいいのかもしれないけれど、頭の中に次々と浮かんでくる想念をリアルタイムに書き留めていくとなると、今のところキーボードを使うしかない。


そこで問題となるのが、では、どのソフトを使えばいいのかということ。選択肢としては、テキストエディターからExcelアウトラインプロセッサーにメモ帳、あるいはレイアウトソフトを使い自分でフォーマットを作って、といろいろ試してはみたのだが、どれもこれも帯に短したすきに長し状態である。


こういった用途に求められる要件は、たぶん次の4点。まず思いついたタスクを自由に書き出せること。次が書き出したタスクを案件ごとにまとめられること。そして各タスクを実際の内容ごとにも分類できること。最後が締切を設定できること。これぐらいのことができるソフトがありそうでなかった。もしかしたらそれなりのお金をかけて、プロジェクトマネジメントソフトでも使えばできたのかもしれないけれど、それでは大層に過ぎる。


そこに現れた救世主的ソフトがiGTDというわけだ。これぞまさに求めていたソフトであることがわかった。GTD系ソフトとしては、一時『check*pad』を使っていたことがある。百式管理人の田口元さんが開発したフリーソフトで、これはこれで必要最小限の要素を網羅し、携帯でもサクサク動くし、リマインダーもあるしと便利に使わせてもらっていた。でも、これも続かなかった。なぜなら「To Do List」は書き出せるのだが、タスクを分類できないし、メモも付けられないからだ。


結局、何かタスクを思いついたら、それについてどうやるか、必要な情報は何か、誰とやるのかなどいろんなことをメモすることが、すなわち自分にとっては考えることなのだ。たとえば来週に迫っている取材についてなら、取材相手の情報をどうやって集めるのか、集めた情報をいつインプットするのか、そこから取材のシナリオをどう組立てて、と考えていくことをメモすることがポイントになる。もちろんメモしたことが一つのタスクとして浮かび上がってきて、そこにさらにメモを書き足すことも多々ある。


こうしたプロセスを踏んで考えることが必要なのは、何も直近の課題に対してだけではない。たとえば55歳での中国漢字源学習留学についても、同じである。要するに遠い先の夢とか目標とかを、いかに直近の行動にまでブレイクダウンしていくか。これが冒頭の言葉「Think for one hour every day」の意味するところなのだと思う。


そのためには、このiGTD(→ http://bargiel.home.pl/iGTD/index.html)こそはまさにうってつけのツールである。私と同じような悩みを抱えて追われる方は、ぜひ使ってみられよ。これを使って毎日一時間、きちんと考えていけば、もしかしたら三ヶ月後ぐらいにはすごいことになっているのではないか(何をやるかを考えて、やるべきことをきちんと行動としてこなせていくことが大前提になりますけれど)。



昨日のI/O

In:
『東京ファイティングキッズ/内田樹平川克美
Out:
某社ソフト添付小冊子原稿
空研塾図書室原稿


昨日の稽古:

・レッシュ式腹筋