ケータイ動画が変える販促
ケータイ向け動画配信が本格的にスタート
圧縮技術の進歩と定額料金制が追い風となり、ケータイでの動画配信が本格化するようだ。本当に近い将来、ケータイ動画が本格的に普及するとすれば、どんな使い方ができるだろうか。
今のところケータイ動画の利用法としては携帯向けドラマや映画配信などが考えられているようだが、それ以外にももっと効果的に活用できるジャンルがあると思う。マーケティングである。仮にケータイで動画をバンバン送れるようになれば、これは強力なコミュニケーションツールにきっとなる。
少しおさらいしておくと、ケータイを企業がコミュニケーションツールとして使う場合のメリットは何があるだろうか。
たとえばメールを使ったコミュニケーションをPCと比較すれば、ケータイの優位性は一目瞭然だ。なぜなら、ほぼ間違いなくリアルタイムに、メッセージを届けることができるのがケータイである。PCのメールなら、相手がPCの前にいて、しかも自分からメーラーを立ち上げて読みに行ってくれない限り、届けたメールを見てもらえることはない。
ところがケータイメールなら、少なくともメールが届いたことはリアルタイムで相手に伝わる。その内容に相手が関心があれば、読んでもらえる確率は飛躍的に高くなるだろう。このリーチ力の強さは、PCメールの比ではない。
ただしPCメールと比べての弱点もある。画面が小さいことによる制約だ。あまり文字を多く詰め込みすぎると、面倒くさくなって途中で読むことを放棄される恐れがある。そこでケータイ動画が効いてくる。
テキストと動画では単位時間内に伝えることのできる情報量が違う。テキストが軽自動車なら、動画はタンクローリーみたいなもの。ケータイで動画を使えるようになれば、これまでのケータイの弱点を確実に克服できることになるだろう。
では、ケータイと紙媒体を比べてみればどうか。リアルタイム性に加えて動画も使えるとなれば、ケータイのメリットは圧倒的である。紙媒体とケータイでは情報の鮮度もまったく異なってくるからだ。ケータイのメリットは変わらず、ウィークポイントだけが解消されることになる。
では電波媒体と比べたらどうなるか。そもそもテレビCMとは比べるまでもない。同じである。あえていうならば、画面が小さいこと、画質が劣る（かもしれない）こと、音質が劣る（かもしれない）ことなどが考えられるが、コンテンツがCMなら、こうした弱点は本質的な欠点とはならないだろう。
ということは、仮にケータイメールを使って、見てもらいたい動画に誘導できるようになり、その動画をストレスなく（ケータイもブロードバンド化が進んでいるし）通信コストも気にすることなく（パケット定額制が当たり前になっているし）見ることができるとすれば、これは未だかつてない販促ツールとなり得るではないか。
使い道はいくらでも考えられるが、その威力を最大限に発揮できる相手は、やはり主婦だろう。たとえばスーパーが本日の目玉商品を動画で紹介する。といっても、特に凝った映像にする必要はまったくない。生鮮品や海産物など静止画像でもいいけれど、動画にしてナレーションを吹き込めば、訴求力断然強くなるだろう。
チラシでは、こんな芸当は不可能である。あるいは飲食店が「本日のオススメ」を調理しているところからちゃちゃっとビデオに録って、流すことも考えられる。「今日はいいアジが入ったんで、こいつを使ってたたきと焼き物を用意してまっせ」なんて具合だ。この機動力に勝てるメディアは、今のところケータイのほかにはない
強力な即効性を持つにもかかわらず、その制作・配信コストはといえば、やり方次第ではあるが、ほとんどタダになる。少なくともYouTubeを活用すれば、配信コストはゼロになる。であるなら、チラシなどの印刷物を作ることを思えば、その制作・印刷コストを丸々お客様にクーポンなどの形で還元することができる。お客様にも喜んでもらえるわけだ。
つまり従来の販促コストを劇的に抑えながら、しかもお客様により伝わるコミュニケーション回路を創り出すのが、ケータイによる動画配信ではないかと考える次第。
いまチラシをまいている業種、たとえばスーパー、住宅、自動車などを対象と考えれば、チラシなんて本当にいらなくなるんじゃないだろうか。そこにもし、何か新たなビジネスチャンスが生まれるとしたら、動画の作り方であったり、ナレーションの作り方であったりするのだろう。
ということは、その手のマニュアル本を書けば、これは当たるんじゃないか！
メルマガ最新号よりのマーケティングヒント
「動画配信」
→ http://blog.mag2.com/m/log/0000190025/
よろしければ、こちらも。
□InsightNow最新エントリー
「御社の会議、面積効率はどれぐらい」
→ http://www.insightnow.jp/article/1391
