鉄は熱いうちに打て


勝負は15分で決まる。


カメラのキタムラの必殺技の話。デジカメを買ったお客様に、写真もキ
タムラでプリントしてもらう。そのための刷り込みは、お客様がカメラ
購入を決めた後の15分間にあるという(日経MJ9月28日)。


購入客やその子どもの写真を、ここがミソなのだが、お客様が買ったの
と同じカメラで撮影。そしてプリント注文を受け付ける機械まで案内し、
自宅のパソコンから印刷注文ができることを説明する。そのためのソフ
トを渡す。とどめがいま撮影したばかりの写真をプリントしてみせる。


ここまでが15分。「デジカメを売っただけでは客を店から出させな
い」作戦だ。


もちろんデジカメ販売そのものでも利益がでないことはない。が、粗利
益率はかなり低いらしい。そこで考えたのが、マーケティングの古典的
手法(確かジレットが始めた作戦だったと思うけど)、本体を安く売っ
て消耗品で稼ぐ戦術というわけだ。


ちなみにジレットがやったのは、ひげ剃りホルダーを原価すれすれ、も
しくは原価割れで売って、替えのカミソリ刃でしっかり稼ぐという作戦
だった。だってジレットのホルダーを買った人は、ジレットの替え刃し
か使えないでしょう。だからこっちで確実に儲かるという寸法だ。


キタムラの場合も発注用のソフトを用意しているところがポイントだと
思う。このソフトをお客様が自分のパソコンにインストールしてくれさ
えすれば、こちらのものである。その使い勝手がよほど悪くない限りは、
お客様はデジカメプリントは自動的にキタムラにオーダーするようにな
る。


そのためにはカメラを売った後の15分が勝負。この15分で少なくと
も1年ぐらいのデジカメプリントを受注できるかどうかが決まる。この
戦術を応用できるケースは、ほかにもありそうだ。


『鉄は熱いうちに打て』。これマーケティングの鉄則なり。



昨日の稽古: