子どもに外国語を学ばせる方法は


1歳から6歳の約14%


英会話などの語学教室に通う子どもの割合である(日経新聞1月28日・夕刊)。5年前に比べるとほぼ3倍に増えているそうだ。また、親の7割が自分の子どもに「外国人と堂々とコミュニケーションできる」ことを望んでいて、2割は「世界をまたにかけて仕事をできる」英語力を期待しているという。


子どもに英語を学ばせるのは、何歳ぐらいから、どんな方法でやればいいか。ここはいろんな意見があるのだろう。


たとえば親が商社マンや外交官などで海外赴任をしているために、生まれたときから英語圏の国で育つ。しかも両親のどちらかが英語ネイティブで、友だちもみんな現地の子どもたち。なんて環境なら、自然に英語を身につけることができる。その代わりに、日本語を身に付けられない恐れもあるけれど。


あるいは3歳ぐらいから英会話教室に通わせる。これが週に1、2回。英語に触れるのはそれだけ、なんてケースでは、たぶん何も身につかないだろう。英語の音に耳をならすぐらいの意味は、かすかにあるかもしれないけれど、少なくとも英会話能力をつける点ではあんまり効果はないと思う。


また同じように英会話教室に通わせながら、家でも一日30分ぐらいは英語のDVDを見せたり、英語の本を読み聞かせたりしてみるやり方もある。これも微妙なところで、リスニング能力はやや身につくかもしれないが、やはりネイティブと話せるような力はつかないと思う。


なぜか。


英語圏の人とまともに会話をしようとするなら、彼らの思考パターンを理解しなければ会話にならないからだ。言語とは思考である。よくいわれることだが(それがすべてのケースに当てはまるとはさすがにこの歳になると思わなくなってもいるが)、英語は主語→動詞→修飾語型のことばである。要するに、まず自分はどう思うのか、何をするのか、を明確にしてから言葉を発する。


日本語は主語→修飾語→修飾語→動詞、でしょう。「ぼくは、野球をするというのも好きで、サッカーにも気を引かれるんですけれど、きょうのところは、勉強します」って、それやったら、はよいえ、みたいな。


何がいいたいのかといえば、文法構造がもの考え方を支配しているということ。だから、幼い頃から英語しかない環境の中で育った子どもは、当然のことだけれど英語的なものの考え方をするようになる。


ところが日本語環境の中で育った子どもは、これまたごく自然なことだけれど、日本語的なものの考え方をするようになる。そして日本語的なものの考え方をしている限りは、おそらく仕事に必要な英会話を身につけることはできない。


幼い頃から英語に触れていれば、もしかすると表面的に英語を聞きとる能力は、身につくかもしれない。でも、それだけのことである。もちろん英語に親しむことがよくないといっているわけではない。世の中には日本語じゃない言葉がたくさんあって、たとえば「犬」には「dog」という呼び方もあるんだ、と知ることは多角的な視点を養うのにとてもいい刺激になる。


では、子どもに英会話能力を身につけさせるためには、生まれたときから英語の中で暮らすしかないのか。そんな必要も、実はないのだ。要は英語的な思考パターンを身につければいいわけで、となると、ある程度思考能力がついてくる小学校低学年ぐらいから始めるのがいい。


何を始めればいいのか。家庭内でのきちんとした会話である。まず、主語を明確にしゃべるようにする。たとえば「パン、ちょうだい」じゃなくて「私は朝ご飯にパンを食べたい」と言えるように。会話には主語を入れることを徹底的に覚え込ませる。


次にイエス・ノー、あるいは好き・嫌いなどなんでもいいのだけれど、自分の意志を明確に答えさせる練習をする。●●君は野球が好き? ●●ちゃんは水泳をしたい? とかね。


で、主語をきちんといれた上で答えさせて、その次の段階では理由をいわせるようにする。これも最初はおもしろいからとか、好きだからでかわまない。でも慣れてくるに従って、どうおもしろいのか、どんなところが好きなのかと、少しずつ分析的に考えさせるように導いていく。


こうした思考パターンを小学生高学年までにしっかりと身につけることがまず大切だ。英会話教室に行かせるのは、それからでもぜんぜん遅くはない。逆に思考パターンがしっかりしていれば、中学英語ぐらいをきちんと学んだ後で留学させる手もある。使える英会話を身に付けようと思うなら、このやり方の方がきっと早道だと思う。




昨日のI/O

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ポルタウォーキング・ラフコピー


昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター

・移動稽古
・下段蹴りで決めるためのコンビネーション
・ミット稽古
 -手すりを持っての上段回し蹴り
 -ミットの持ち手との間にイスを置いて、ひざの抱え込みを意識した上段回し蹴り
 -膝の抱え込みを特に意識した上段回し蹴り