竹島問題を巡る動き


なんか変、である。


竹島(韓国名:独島)をめぐる騒動についてだ。韓国側は政府自体が争いに油を注ぐようなスタンスを取っている。マスコミのリードも相まって韓国世論は燃え盛っているようだ。が、日本では騒いでいるのはマスコミだけでしょう。当事者であるはずの小泉首相も安倍さんもいたって冷静というか、何というか。この件についてコメントが出てくるのは、この二人だけ。普通の日本の人は、ごく普通に暮らしているわけだし。そもそも、今回の騒ぎがなければ竹島がどこにあるかも知らない人がかなりいたんじゃないか。


うがち過ぎなのかもしれないけれど、このタイミングが気になるところではある。ほら、ちょうど横田めぐみさんの夫が韓国の人だとわかって、名前まで特定されたばかりでしょう。その人のお母さんが出てきて、拉致問題を日韓共同でがんばって解決していこうという気運が盛り上がりかけたところだったのに、これでは「日韓で」なんてことはまったく言い出せない雰囲気になってしまった。


しかも韓国では「もし日本が調査を強行すれば、南北が共同して日本に対することになる」なんて言い出す政治家もいる。ちょっと解せない。もしかすると「拉致」をキーワードに、日韓が共同歩調を取って北に解決を迫るような流れが大きくなっていくことを望まない人たちがいるのではないか。


しかし、もしそうだとすれば日本がわざわざ、このタイミングを選んで調査にでるというのも妙だ。もちろんアメリカには話を通してあるのだろうし、であればアメリカから韓国にも何らかの事前通告があっただろうし。そのアメリカには中国の胡主席がいる。胡主席アメリカに何をしにいったんだろう。ビル・ゲイツにあったり、飛行機を買うために行ったのか。わざわざ、この時期に?


六カ国協議のメンバーで動きがないのは、北朝鮮とロシアだけ。なんだけれども北朝鮮は、金総書記の隠し資産などない、なんて声明を出している。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060421id21.htm


かと思えば韓国と北朝鮮は、南北閣僚会談なんてのをやっている。そのテーマは、韓国からの大規模経済支援だそうだ。マカオの銀行封鎖以来、北朝鮮が相当に追い込まれていることは、たぶん間違いないのだろう。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060421id22.htm


もし、この竹島騒ぎが起こっていなければ、韓国国内ではもっと拉致問題解決の動きが盛り上がっていたんじゃないだろうか。横田めぐみさんがちょうど、そのシンボルになるような形で。つまり日本と共同歩調でということだけれど。そうすると韓国としては、北朝鮮に対する大規模な支援というのは、ちょっと切り出しにくい話になっていたのではないか。


それにしても、なぜ日本は、わざわざこの時期に調査をやったのだろうか。国際会議があることなんて、ずっと前からわかっていたはずだし、そこで韓国が何をやろうとしているかもつかんでいたはずだ。それをギリギリになって、というのもおかしいなあ。


ということで、まったくの仮説。


北朝鮮は、アメリカの預金封鎖でほとんどひん死の状態に追い込まれている。このまま放っておけば、近い将来に国が一気に崩壊する恐れもある。急激な変化は国境を接している韓国、中国、ロシアはもちろん、日本やアメリカにとっても困った状態になる。だから何らかの延命策を共同で取らざるを得ない。しかしストレートに支援をいうのは、拉致問題があって憚られる状況だ。


そこで、拉致から目をそらさせるために、アメリカ、中国そしてロシアも納得済みで、日本と韓国が共同作戦を取った。だから日本政府は極めて冷静で、韓国政府は芝居がかっているほど熱くなっているように見せかけている。


なんてことも、あり得るかもだ。



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