手刀、裏拳を使ってみる


裏拳での脾臓撃ち、振り撃ち。
手刀でのさまざまな技。


最近の稽古では、こうした技をたくさんやらせてもらっている。しかも基本稽古だけでなく、ミットを使った稽古までやっている。これがなかなか発見の連続である。


もちろん空手にそうした技があることは知っていた。が、これまでは普段の稽古で手刀などはやったことがなかった。手刀といえば空手チョップか、ぐらいの認識である。しかし、これが意外に効きそうなのだ。


もとより実際に手刀を使うとなると、ある程度部位鍛錬をしておく必要があるとは思う。砂袋を叩いたり、あるいはわりと肉の分厚い部分だから立ち木を叩いたりするのもいいだろう。そうやって手刀を鍛えれば、たぶん分厚い『使える』手になるんじゃないだろうか。受けにも使えそうだ。


それはともかく、何が面白くて発見なのかといえば、これまで習ってきた手技(おもに突き、ひと筋だけれど)とはまったく違った軌道での技を出せることである。たとえば手刀こめかみ撃ち、こんな技でいきなり攻められたらどう受けるのだろうかと思ってしまう。おそらくは咄嗟に手を出すのだろうが、正直なところきちんと受けられるかどうか。


と考えれば、人が稽古したことのないような技、あるいは空手をやっていない人にはまったく想像もつかないような技が、もしかしたら「いざ」というときに役に立つ可能性は高いだろう。


また手刀などは意外に力がうまく入るようにも思う。ミットを打ってみるとわかるのだが、それなりに効かせることができそうなのだ。ということは、やはり先人が時間をかけて練ってきた技には、身体の使い方にそれなりの合理性があるということではないのだろうか。力学的なメカニズムがどうなっているのかはわからないが、手刀のこめかみ撃ちや打ちおろしなどをミットに叩き込むとかなりな手応えがある。


あるいはごく近い間合いから掌底を打ち込む技なども使えそうだ。特に顔面を攻める場合は、拳で突くよりも掌底の方がいいという話もある。つまり固い拳で固い頭を叩くのは力勝負になる。下手をすると、こちらが拳を痛めることになりかねないし、仮に相手の頭蓋骨にヒビでも入ると取り返しのつかないことになる。


ところが手のひらをやわらかくしておいて、掌底を相手の頬に添わせるようにし、その顔を斜めに振るとどうなるか。これが実は一番効果的に脳を揺らすことになるという。力はほとんどいらない、むしろ力を入れない方が技が速くなるからいい。それでいて脳を揺らされた相手は一時的に脳しんとうを起こす。その間に逃げることができる。なんて理屈らしい。


これまで習ってきた突きは、その呼び名もストレート、ジャブ、フックにアッパーとボクシング用語になっていた。これはこれで、ある特定のルールにフィットしていたのだと思う。一つのルールの中で自分をどれだけ高めていけるか。これも精進の道だし、いろんなルールを試しながら、総合的に自分の技を練っていくことも精進の道だ。


たかが空手チョップというなかれ、である。一つひとつの技が、実に奥深いのが空手の面白いところだ。型の運足などにも普通の足さばきからは考えられないような動きが含まれている。それはそれで、何かの理屈があるはずで・・・。とこうしたことを考えながらやる空手、というのもアリだと思った。



昨日のI/O

In:
事業報告書関連の資料をどっさり
Out:

昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター・ダンススタジオ

・基本稽古
・移動稽古(前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち、三戦立ち)
・ミット稽古(突き、裏拳、肘撃ちなど)
・補強