『きっこの日記』は世の中を変えるか
33,833,719(10月21日8時18分現在)
33,969,152(10月22日6時43分現在)
人気ブログ『きっこの日記』のアクセス数である。約一日弱で13万5千ぐらい。とりあえず(統計的にはほとんど意味はないけれど、ぐらいのニュアンスです)1時間あたり5600ぐらいのアクセス数を集めるブログである。
→ http://www3.diary.ne.jp/user/338790/
ちなみに内田先生のブログでさえ昨日一日のアクセスが9743。比較しても大した意味はないが、とりあえずこの『きっこの日記』のアクセス数は相当なものだ。なぜ、このブログがこれほどまでのアクセスを集めるのか。
注目されたキッカケは耐震偽造問題が起こった時にスクープを連発したからだという。当のきっこさんがどんな人なのかはよくわからない。プロフィールの資格欄をみれば美容師の可能性がありそうだけれど、ふつうの美容師さんが書く内容のブログじゃないと思う。
まあ、ここでは『きっこ』さんがどんな人なのか、謎解きをしているわけではないので、これ以上の詮索はしない。問題は、最近の日記の内容である。
きっこさんはどうも、イーホームズの藤田社長と何らかのコネクションを持っているようだ。昨日から藤田社長の手記、プレスリリースなどを続々と掲載している。その内容は、かなりショッキングである。マンションの耐震偽装問題はなにもヒューザー&姉歯コンビだけじゃないことが告発されている。
→ http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&start=11&log=200610&maxcount=120
偽装に直接関わっていたイーホームズ・藤田社長の言っていることだからという保留条件はとりあえず付けておこう。
しかし、たとえば正義の味方よろしく姉歯の偽装を早い段階で見抜き告発したとされるアトラス設計の渡辺朋幸氏についての告発はどうだろうか。渡辺氏が実は建築士の資格を持っていなかったとの指摘は、証拠もあるだけに動かしがたい事実だろう。たしか、この人はテレビなどのマスコミでは一級建築士として紹介されていたんじゃなかったか。だとすればマスコミは誤報道をしていた可能性がある。
あるいは川崎市のマンションでの耐震偽装問題への指摘では、市の担当者が実名で書かれている。川崎市に問い合わせて調べたわけではないので100%確実とはいえないが、この人物が実在することもほぼ間違いないだろう。であるなら、川崎のマンションで耐震偽装があったという藤田氏の主張も、根拠ぐらいは確かなそうである。
ここで不思議なのは、市が絡んだ(あるいは主導した)耐震偽装というスクープネタがあるにも関わらず、なぜマスコミが、もっと直接的にいえば、こうしたネタが何より好きなはずのワイドショーが取材に動かないのかということだ。もちろん偽装などなかった可能性もある。しかし、万が一にでも藤田社長の指摘通りだったとすれば、これは大スクープになる。
さらに藤田氏が指摘しているように、あのアパグループでも大がかりな偽装工作が行われていたとすれば、これは安倍首相、あるいは森元首相にもつながる大スキャンダルじゃないんだろうか。
耐震偽装の疑いのあるマンションがあり、そこには現実に住人が暮らしている。住人は、まさか自分たちが暮らしているマンションが耐震上問題があるなどとは思ってもいないだろう。もし藤田社長のいうことが正しいなら、市がグルになってお墨付きを出しているのだから。しかし告発が本当だとしたら、とんでもない話である。
現実問題として耐震強度が基準を満たしているかどうかは、少し検査をしてみればわかるはずだ。マスコミは、なぜ、それをなぜやらないのか。
アパグループの件については、藤田社長がプレス会見で発表しているにもかかわらず、大手マスコミで取り上げたところはゼロ。わずかにスポーツ新聞だけが小さく取り上げていた。
このマスコミの自主規制ぶりを勘ぐれば裏で何らかの力が働いているということなのかもしれない。テレビも新聞も、この一件を取り上げることはタブーなのだと。臭いものには蓋である。
しかし、そのやり方が通じるだろうか。
きっこさんは得体の知れないアルファブロガーだが、彼女がブログで取り上げている藤田社長は実在の人物である。仮にブログというメディアがなかったなら、藤田社長の言い分は完璧に抹殺されたはずだ。藤田氏のいうことがすべて本当だとしたら、メディアの対応はひどいと思う。ひどいというよりも、明らかに何らかの意図をもって偏向報道している。裏には何か理由があるのだろう。
そうした状況が日本で起こっていることを(正確には起こっているかもしれないってことを)我々は、きっこさんというアルファブロガーのおかげで知ることができる。そもそもマスコミを全面的に信用などできないことは、みんながうすうす感づいていることだ。だからこそ、スクープを連発する『きっこの日記』にアクセスする人がたくさんいる。
きっこさんのようなアルファブロガー、一時間に5600ものアクセスがあるブログの影響力は体制サイドが考えているよりはるかに大きい。こうしたアルファブロガーの記事が、マスコミに近いところにいるブロガー、たとえば勝谷誠彦氏のような人に伝われば、そのラインでマスコミに乗る可能性もある。
→ http://www.diary.ne.jp/user/31174/
アルファブロガー→(マスコミに近い)著名ブロガー→マスコミ、といった経路が成り立ちうる。仮にその過程でどこかのマスコミの、ジャーナリストとしての良心を失っていない記者が動いたら、あるいはかつて田中首相に立ち向かっていった立花隆のような人物が出てきたら、もしかしたら安倍内閣はひっくり返る可能性もある。
『きっこの日記』での藤田社長の告発、今後の藤田社長の動きは、彼が出版を計画している暴露本が無事、出版されるかどうかも含めて注目だ。
そして、もしかしたらブログには、こうした形での不正告発〜抑止機能があるのではないだろうか。もしそうなら、権力を持たないものが権力サイドの不正を告発し、さらには抑止できることになる。これは、人類の歴史が始まって以来の画期的な出来事である。
昨日のI/O
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