みなさん、お強いこと


奥様は魔女


は昔のテレビドラマだけれど、魔法がなくても奥様は強い。昨夜は空研塾奈良支部でオヤジ空手の体験会を開催。参加者は女性4名(うち2名は経験者ですね)に男性が2名。残念ながら、こちらが勝手に想像していたオヤジは一人もおらずみなさんお若い。男性の一人などはどうみても20代バリバリである。


この方たちに、とりあえず空手とはどんなものかを体験していただくことに。まずは柔軟体操から。一応、私と同年齢の方を想定したプログラムを考えていたので、ストレッチも極力反動を使わないやり方でやってみる。ふだんの稽古ではやらないけれど、じっくりゆっくりと体のあちこちを伸ばしていく。そうやって筋肉を伸ばして、すこし温めておくことがこれからの季節は特に、ケガを防ぐコツだ。


続いて支部長が空手の基本技を伝授。正拳突き、裏拳をやっていただく。それからミット。組手立ちに構えての逆突きである。みなさん、お上手である。ミットの芯を的確に突いてこられる。20代男性のパンチなどは、かなりのものだ。


さらにミットを下段に構えてローキックへ。これが効くのなんのって。ミットを二重にしないとこちらの足が痛い。すんごいパワーである。どこがオヤジやねん、ブツブツといった感じだ。まあ、年齢的にはオヤジ該当者がいないので当たり前といえばそうなのだけれど。


引き続いては人間サンドバッグ。これは子どもの初心者を相手によくやる稽古で、とりあえず生身の人間をど突いたり、蹴ったりしてみてその感覚を確かめてもらう(味わってもらうといったほうが正確かもしれないけれど)ことが目的。子どもならともかく、大人の相手はどうなんだろう、さすが支部長、鍛え方が違うから平気なのか知らん、などとのんきに構えていたら、こちらにもご指名が。


おおっとぉ! である。が体験会の言い出しっぺとしては、ここで下がるわけにはいかない。まあ、初心者の突きぐらいならと思って受けると、これがみなさん的確に痛い。受けてみて意外だったのは、肩のあたりを突かれると結構痛いってこと。


突きが骨にあたると、後には残らないけれど瞬間的にはなかなかのものだ。我が身をつねって人の痛みを知れとおっしゃったのは確かキリスト様だったと思うけれど、肩狙いの突きは自分の組み手にも使えそうだ。これは今日の自分にとっての収穫である。逆にお腹回りは、ほとんど何にも感じない。


ただ、中にお一人だけワンツースリーで、左の下突きでとどめを刺しにこられる女性がいて(この方は経験者ですね)、スリーの下突きまでずっと腹筋に力を入れ続けることは難しいのだと、これまた実感できた。なるほどね。この下突きをもう少しフック気味に回して、レバーをきちんと狙えば武器になるなあと思う。これも収穫である。


続いてはローキック。これは痛い。蹴りがあたった瞬間に足に力を入れて踏ん張りはするものの、時折、ピンポイントで急所(太ももには何箇所かツボがある)に入ると、相当に効く。とくに皆さんの利き足である右の蹴りを受ける、こちらの左足。「これも自分の稽古だ」とか言い聞かせながら、なんとか耐えきる。


そしておしまいが「突き蹴り、好きにやってください」だって。あれま。突きはともかく、これ以上左足を蹴り続けられるとちとやばそうなので、ときどき膝を上げて受ける。ちゃんと受けを取るとダメージはまずない。受けの稽古って、本当に大切なんだと今さらながら骨身に沁みて思う。


しっかしである。


人をボコにしてるときの皆さんの表情の『快』度たるや、相当なものである。たぶん、こんなふうに人をど突きまわしたり、蹴り飛ばしたりすることって生まれて初めての体験なんだろうなあ、こういう行為はある種の脳内麻薬を分泌するのかもしれないなあ、なんてことを思いながらひたすら耐えていました。


とにもかくにも、無事体験会は終了。みなさん、力一杯に体を動かしての一時間半となったのではないでしょうか。また、折りをみてやりたいと思いますのでどうぞよろしく、である。



昨日のI/O

In:
『能に学ぶ深層筋トレーニング/安田登』
Out:


昨日の稽古:西部生涯スポーツセンター ダンススタジオ

・柔軟体操
・基本稽古
・ミット稽古
・人間サンドバッグ稽古
・護身術(相手に手を掴まれたときどうするか)