解約されたくないのはわかるけど
13分27秒
ネットを使う前、パソコン通信の時代から付き合ってきたニフティさんに解約申込の電話をして待たされた時間である。まだインターネットを個人で使えるような状況ではなかった1993年、原稿データのやり取りにはパソコン通信が便利だと教えてもらい、それならと入ったのがニフティさんだった。
ネットに移行する前には、ニフティのフォーラムや新聞記事の横断検索などをずいぶんと重宝させてもらった。もちろん対価は支払っているけれども、これまでのところは対価に見合うだけの価値を十分に提供してもらっていた。
が、最後の最後で「ちょっとなあ、それはないで」と思う対応だったのがとても残念だ。ニフティを解約するに至った理由は省略するが、とりあえずホームページをたどって行くと個人解約の手続きは解約専用窓口に電話をするようにと案内される。好意的に解釈するなら、個人情報についてのセキュリティの問題などがあるから、電話で直接ということなのだろう。
そこで解約専用窓口に電話をしてみて、10分以上待たされたというわけだ。フリーダイヤルであるから、電話料金はかかっていない。が、合点がいかない。そもそもインフォメーションセンターの電話と解約受付専用窓口では電話番号が違う。ということは、受け手からすれば、電話がかかってきた時点で「これは解約案件だ」とわかっているはずだ。
そこでうがった見方をあえてしてみる。「解約案件だから、できるだけ引き延ばして、とりあえず初回は解約をあきらめてもらおう」作戦のために、これだけ待たしたのではないか。まさかね。そんなことはやらないだろう。
しかしである。実際には「いま、オペレーターにおつなぎしています。お手元にID番号をご用意して、もうしばらくお待ちください」というアナウンスを何十回も聞かされる羽目になった。まあ今日は日曜日でもあるし、オペレーターの数が少なかったのかもしれない。逆にこちらとしては、日曜日だから「そこまで待て、というならとことん待ってやろうじゃないの」と思ったのも確かだ。
で、待つこと13分27秒にしてようやくつながった。いくら基本的に温厚な性格とはいえ、さすがにこれだけ待たされると嫌みの一つもいいたくなるではないか。と同時に、これは格好のネタになるとも思った。
そこであえて最初にひと言「解約の電話だとわかっているから、こんなに長く待たせるのですか」とかましてみた。もちろん「お待たせしてすみませんでした」と返ってくる。が、あきらかにこちらが怒り心頭風を装っているので、先方の対応は極めてクールかつ事務的である。おそらくは「こんなふうに怒っているお客様には、とにかく逆らわないこと」といった対応マニュアルがあるのだろう。解約手続きは極めてスムーズに進み、引き止め的対応はゼロだった。
そこで最後に聞いてみた。「御社の社内規定では、もうしばらくお待ちくださいというアナウンスで待たせる時間を、最長何分ぐらいに設定しているのか」と。対応してくれたオペレーターは「確認します」といってしばらく間を置き（マニュアルを読んだのか、上司に尋ねたかしていたのだろう）「そうした時間規定はありません」と教えてくれた。それならと「では、下手をすると１時間ぐらい待たされることもありうるのか」と尋ねると「そういうこともありえます」と返ってきた。
そりゃ、まずいでしょう。
電話での「ちょっとお待ちください」の「ちょっと」とは、30秒と考える人、10秒と捉える人がどちらもだいたい30％ぐらいになる。あと20秒が20％（→ http://www.insightnow.jp/article/566）。だから「ちょっとお待ちください」というなら30秒以上待たせてはまずいのだ。ニフティの場合は「しばらくお待ちください」だから、「ちょっと」よりも多少長くても許されるとして、それでも１分以上待たせるなら、コメントを変えるべきだろう。
そもそも解約を求めて電話をかけてきている相手であることがわかっているはずなのだ。だから「ぞんざいな」扱いでよいと思っているなら、ものすごく問題だと思う。なぜならば、本当なら解約を求めてきた相手こそが、次の解約者を一人でも減らすための貴重な意見を持っている相手のはずだから。
であるなら、できる限りの対応を尽くして「なぜ解約に至ったのか」のヒントだけでも聞き出すような仕組みを作るべきだと思う。そうした対応は、もしかしたら解約を思い留まらせることにつながるかもしれないし、最悪でも「ニフティって解約する人には、めっちゃ対応悪いねんで」などといわれることだけは防げる。
顧客の不満は、本当に宝の山だと思う。
昨日のI/O
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メルマガ最新号よりのマーケティングヒント
「プラス１発想」
→ http://blog.mag2.com/m/log/0000190025/
よろしければ、こちらも。
□InsightNow最新エントリー
「名ばかり店長問題とマクドナルドの巧妙な戦略」
→ http://www.insightnow.jp/article/1421
昨日の稽古：西部生涯スポーツセンター
＜少年部＞
縄とび／柔軟体操
基本稽古
移動稽古／約束組手
＜一般部＞
顔面ありのスパーリング
※顔面ありは、めっちゃくちゃ難しい。
