ラストエフエムが変える世界


収録曲数約100万曲


とんでもないサービスが始まった。その名をラストエフエムという。何がとんでもないのか。自分専用のネットラジオである点がとんでもないのだ。
→ www.last.fm/


昨日の新聞には「世界最大の音楽専門ソーシャル・ネットワーキング・サービス」と紹介されているが、この表現はちょっと違うんじゃないか(日本経済新聞7月3日)。確かにSNSではあることは間違いないのだけれど、その本質は友だち作りではない。これは間違いなく自分専用のラジオである。


ラジオという呼び方も、もしかすると正確ではないのかもしれない。そうではなく自分の好きな音楽を次から次へと流してくれるネットDJとでもいうべきか。とにかく「ラストエフエム」でアカウントをとり、好きなバンドを登録する。たとえば「Beatles,Rolling Stones,Japan,Roxy Music」といった具合。


すると何が始まるか。


ずっとこれらのバンドの曲がかかる。そして曲がかかるたびに、自分がその曲を「好き・嫌い」と評価していけば「好き」なタイプの曲がリコメンドされるようになるらしい。まだ始めたばかりだから、この先どうなるのかはわからないが、とりあえず今のところはビートルズ関係の曲がなっている。


もちろん、これ、タダである。


とここまで書いているところで、George Harrisonのソロがかかったから、こいつはスキップする。次にかかったのはJohn Lennonの「Whatever Gets You Thru The Night」、これは「好き」だから一曲丸ごと聞く。


おわかりか、このすごさ。おっと次は「I me mine」だ。これはオッケーである。だからビートルズが好きな人には、たぶん一日中ビートルズの曲がかかる。ということは有線のビートルズチャンネルに近いともいえるが、有線とは決定的な違いがある。あるいはビートルズ専門のネットラジオ放送局とも違う。


それは主体がこちら、つまり聞き手にあることだ。だから自分専用なのである。これが何を意味するかといえば、音楽との接し方がこれまでとは根本的に変わる。きっと変わる。音楽を手に入れるメディアが完全にネットになるというか。もしかするともうCDはいらなくなるのかもしれない。残念ながらかかった曲をダウンロードしたり保存したりすることはできないようだ。でも、たぶん履歴をたどって聞き直したりできるんじゃないだろうか(まだこのシステムを使いこなせていないので、よくわかんないけれど)。


このサービスのコンセプトをCEOフェリックス・ミラー氏は「未知の曲を発見できるサービス」と表現している。なるほど、自分の好みを登録していくうちに、その好みに合った曲をどんどん紹介してくれるらしいだから、確かに未知の好みの曲と出逢えるサービスという表現は当たっている。


30年ほど前「こんばんわ、渋谷陽一です」で始まるラジオ番組を聞いていたのと同じスリルがある。あの頃、渋谷陽一さんがかけてくれる曲は、たいてい自分の好みにあった曲だった。King Crimsonの「Starless」もRoxy Musicの「Mother of Pearl」もSoft Machineの「Bandless」も初めて聞いたのは、みんなあの番組だった。と同じことが、これからネットで起こるってことだ。


で、ここでStationをちょっと変えて「the rolling stones」に合わせてみる。すると不思議なことにThe Whoがかかって、なんかよくわかんないアーティストの曲がかかって、次が「Hot Stuff」。う〜ん、よ〜わからん。


わからんけど、おもろいぞ『ラストエフエム』!


と書いたら、なぜか「Brighton Rock(Live)」Queenである。これ、おもろすぎ。


昨日のI/O

In:
『食品トレーサビリティ/新山陽子』
Out:
メルマガ
ポイントシステム企画書

昨日の稽古:

昨日のBGM

Standards Live/Keith Jarrett Trio
Somewhere Before/Keith Jarrett Trio
A Portrait of Thelonious/Bud Powell
A Prescription for the Blues/Horace Silver
All American Boy/Rick Derringer

All American Boy

All American Boy