離散的な数と連続的な数
1個、2個、3個と1cm、2cm、3cmの違いは何か
寺子屋の算数が、いま小数にさしかかっている。小数の考え方が入ってきて始めて、数には二種類あることがわかる。つまり、ものを数える個数は整数(それも基本的には正の)の世界である。これに対して距離や量を計る数と数の間には、無限に数がある(って、なんか禅問答みたいだな)。
こんな禅問答みたいな内容を子どもに理解させるのは、当然のことながらものすごく難しい。やはりよくいわれるように小学校4年生はまさに子どもにとって算数嫌いになるかどうかの第一関門なんだと思う。とはいえ距離で考えるなら数直線を書けば「間の」数の存在は一目瞭然である。というか数直線を書いてたとえば「1cmと2cmの真ん中は何だろう?」といった質問をしてやれば、子どもの興味を引き出すことは、それほど難しくないだろう。
そして、この興味を持てるかどうかがたぶん大きなポイントなんだと思う。「ん? そういわれてみたら、1cmと2cmの真ん中は何やろ?」と思った子は、たぶん自然に小数の概念に気づくことができる。この気づきがあれば「じゃあ1cmを10に区切ってみたら、その一つ分はどうなるかな?」とさらに質問を投げかけていく。
人の頭は原則的に、誰かに何かを質問されたときには、まず考えるようにできている。その質問を少し考えてみて(あるいはほぼ反射的に)答がわかるときに、何らかの快感を得るのだと思う。これとは逆に、当たり前のことだけれど、いくら考えてもサッパリわからん質問は不快なだけである。そして不快な質問が続くと、耳から音としての質問は入ってきていても、いつしかその内容は頭を素通りするようになる。こうなると最悪だ。
だから、教える側の役割は、この「ちょっと考えて、あっそうかとわかる」快感をいかに引き出し続けるかにある。たぶん百マス計算が効果的なのは、簡単な計算から取り組んでいくことで、この快感を継続的に与えられることにあるのではないだろうか。そこで微妙にレベルを上げていけば、子どもは心地よさを感じながら、少しずつ学力を高めていくことができる。しかも時間を計って競争させることで、やる気も出る。なかなかうまいやり方だと思う。
少し話はそれたが、小数である。この「小数・はじめの一歩」がうまくいけば、小数の足し算・引き算はちょろい。かけ算はほんの少しだけ飛躍があるけれども、まあ何とかいける。問題はわり算だ。しかも小数÷小数であまりのある場合の、あまりへの小数点の付け方。ここをどうやってわかってもらったらいいか。思案のしどころだ。
などと考えてみると、実は自分でもよくわかっていないことに気づく。人に教える、それも子どもに何かを教えようと思ったら、そのことについて自分が原理から応用まで完全にマスターしてなきゃならないってことに改めて気づく。数とはほんとに不思議な存在だ。
昨日のI/O
In:
Out:
昨日の稽古:
・立禅
・レッシュ式腹筋、腕立て