YouTube中
10万位以下から一年で一挙に世界5位に
世界サイト利用度ランキングの話(日経産業新聞2月16日)。去年、ものすごいごぼう抜きでランクインしたサイトといえば?
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そうYouTubeである。普通、急成長する様子を右肩上がりと表現するが、そんな生易しいものじゃない。これを日経産業新聞では「棒上げ」と表現していた。初めて聞いたことばだが、グラフをみると納得がいく。05年度中などは、ほとんどまっすぐうえに伸びている。
Googleが買収するのもむべなるかな。YouTubeでは受付嬢までが持っていた株の売却益で一億以上ものキャッシュを手にしたという。それぐらいの価値を世の中に提供したということなのだろう。
では、YouTubeの利用度がそれだけ増えるとどうなるのか。YouTubeを見ている人がそれだけ増えているということだ。すなわちYouTubeを見る=それ以前は他のことをしていた時間がYouTubeを見ることに使われる。ということで、日経産業新聞の記事には、YouTubeのために何を犠牲にしているのかという調査結果も掲載されている。
あくまでもアメリカでの調査結果ではあるが、犠牲にしているのは
1.他のサイトを見る 36%
2.テレビを見る 32%
以下、メール、チャット、ブログ、仕事、宿題と続く。YouTubeを見るとなれば、マルチモニターでもしていない限りは他のサイトを見ることはできないだろう。それは当然だとして、やはりテレビが犠牲になっていることがよくわかる。
テレビとネットはかろうじて両立する余地があった。テレビをつけっぱなしにしながら、サイトへアクセスするといった形で。そこにテレビとしては一縷の期待があったはずで、それならテレビを見ながら同じ画面からサイトへアクセスできるようにすれば、まだまだテレビも捨てたもんじゃないというのが、データ放送であったり、ネット接続可テレビの根拠だったはずだ。
ところが、それをYouTubeがくつがえそうとしている。だって、もしみたい番組があったとしたらYouTubeでたいていは見ることができてしまうのだから。もちろん、これに関しては今後のテレビ局とYouTubeの著作権を巡る駆け引き次第では、これまで通りにYouTubeでテレビ番組のすべてを見続けることができるかどうかはわからない。
それでもYouTubeには可能性を感じる。とくにテレビ局が抱えている昔の番組などはYouTubeでながすことによって少額課金することも可能なはずだ。これはテレビ局とYouTubeのwin-win関係である。テレビ局の中にはYouTubeとのそうしたパートナーシップにこそ可能性を見出すところもでてくるのではないか。
あるいは巨額のイニシャルコストをかけて放送設備を整えずとも、YouTube専用で配信するテレビ局が出てきてもおかしくはない。これなら既存のテレビ局とはコスト構造がまったく違うから、いまの腐りきったテレビ局とはまったく次元の違うハイクォリティな番組を放送してくれる可能性もある。
しつこく繰り返しているけれど、YouTubeの画質がもっともっとよくなることは織り込み済みだ。みんなが「そうなってほしい」と思っている技術的な課題は、そのほとんどすべてが解決されるのだから。
ということで、Rimoみたいなとんでもないサービスも出てきたことだし、やっぱりYouTubeがテレビビジネスを確実に変えていくと思いました。たぶんYouTubeの存在意義は、ネット創成期にYahoo!が出てきたことやひいては後にGoogleが出てきたことと同じぐらいのインパクトを、これからのネットに与えることにある。そこを抑えておけばYouTubeを利用したいろんなビジネスモデルが考えられるはずだ。
昨日のI/O
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