アポイントの取り方


取材仕事があるんだけれど・・・


といった電話なりメールを受けて、仕事が始まることが多い。声をかけていただけるのはありがたい限りだが、時に困ることがある。日程のバッティングである。たとえば「○月○日、お昼いちばんぐらいから渋谷で△△社長のインタビュー、行けますかね?」と声をかけていただく。あらかじめ別の予定が入っていない限り、ただちに「大丈夫です!」とお返事することになる。


しかも、声をかけてくれた相手が新しい取引先だったりすれば、これは実にうれしいオファーである。この仕事で相手が期待する価値/対価バランスを超える結果を出すことができれば、次も期待できるわけだ。しっかりと下調べもし、当日のインタビューシナリオも練りに練って準備万端整えて取材日を待つことになる。


ところがである。


そういうときに限ってレギュラーのクライアントから「いつもの■■の取材だけれど、今月は○日(前述の取材と同じ日ということですね)で決まったから」といった連絡が入ったりする。その■■の取材が奇跡的に東京で、先に入った仕事の前後に時間が設定されればまだしも、たいていは「今回は大阪だから、近くて良いでしょ」なんて話になることが多い。


こうした取材バッティング問題こそが「お一人様」で仕事をしている身としては最大ににして、独力では絶対に解決できない致命的な問題となる。これが取材仕事ではなく、資料を調べて書く原稿仕事であったり、あるいは純粋なコピーワークだったならば、何とでも対処はできる。最悪、睡眠時間を極限まで削るとか、あるいは誰か知り合いに助けてもらうことでクリア可能だ。


ところが取材・インタビューだけはどうにもならない。とりあえず私の場合は最終的な原稿作成能力よりも、その場でのインタビュー能力(いい加減歳を重ね経験を積んでいるが故の、年長の方に対して失礼のない話し方などが重視されているようだ)に対して価値を認めていただいているらしく、私自身がその場所に出向かない限りは仕事そのものが成立しない。実に悩ましい。


しかも新規顧客はすごくありがたいが、だからといってこれまで何年も仕事を出してもらっているレギュラースポンサーに迷惑を掛けるわけにはいかない。泣く泣く新しい方の仕事を断らざるを得ないこともある。もちろん各クライアントさんにはできるだけ早い時点からこちらの予定をお知らせして、無理のない範囲で取材日程のバッティングを避けてもらえるようお願いしている。


とはいえ取材ばかりは相手があって初めて成立するわけで、そのお相手となる方は当然、私なんかよりはるかに忙しくて時間的に制約のきついケースばかり。自分が二人いればなあ、などとあり得ない解決策を夢想するしかないのが辛いところだ。もっとも最近では、こうした取材仕事をできること自体が天からの授かり物なのだから、どんな時でも心平穏にいただいた仕事をありがたく思って全力を尽くすだけ、なんて気持ちで受け止めるようになってきた。


こうした事情を抱えているために、取材以外のアポイントを入れることには極めて用心深くなっている。打合せやミーティングにお声をかけていただいているのに、なかなか二つ返事で了解できないこちらの事情をわかっていただければありがたいです。


お一人様仕事術、その陸
『お一人様は、取材のアポを最優先すべし』


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