イスは読書をどう変えるか
座り心地のよいイスをもらった
引っ越しする方が「もういらないから」と譲ってくださったイス。『かあさんのいす』に出てくるような立派で座り心地の良さそうな椅子だ。間違いなく、この仕事場にある家具、机、備品類の中でダントツの高額ナンバーワンだろう。
なにしろ机はでかいけれども、アスクルさんから取り寄せて自分で作った代物である。本棚然り。だからかどうかは知らないが、本棚のうちの一つは棚が左右平行になっていなかったりする。みっともないったらありゃしない。
とりあえず、これまではiMacさまがイチバン高くて偉かったわけだけれど、このおイスさまには勝てないはずだ。詳しくは聞かせてもらっていないけれど、確かイタリア製だと教えてもらったような記憶がある。脚なんか優雅な猫脚である。ルネッサァーンス(古いか)なんである。
「この椅子、捨てるんやけど」と言われたときに、ピンと来た。これって本を読むのに最高なんじゃないかと。殺風景な仕事場に、こんなエレガントなチェアーがあれば、雰囲気も変わるではないか。と思いついて「捨てるのなら、ください」と相成った次第。
東京出張から戻ってみると、これまで置いてあったぐさぐさのソファの替わりに、どうだまいったか的にイタリアンチェアーさまが威風堂々いらっしゃったという次第だ。確かに空気感が少し変わったような気がする。といえば大げさかもしれないが、これまで安物・まがい物に囲まれていた空間に本物が一つ混ざることによって醸し出される雰囲気を感じる。
なんて、偉いたいそうなこというようだけれど。ともかく座り心地が抜群なことだけは間違いない。いや、もしかしたら、そういう思い込みが勝手に座り心地感をよいものに変えてしまっている可能性も否定はできないのだけれど。このあたりに、日頃いわゆる本物に触れる機会のないプアな感性が出ていたりするのかもしれない。なんて卑下すること自体が、自らの貧しさをさらけ出しているのかもしれない(と自虐回廊はどんどん下降していく)。
ともかく、この椅子の奥までしっかり腰を押し込んで、足をもう一つの椅子にポンとなげて本を読むのが心地よいのは疑いようがない。本人がいうのだから間違いない。そして、未だかつて、こんなぜいたくな姿勢で本を読んだことがないのも、悲しいかな事実である。
問題は、そうした状況での読書がもたらす脳へのインプットが、これまでとどう変わるかということ。それなりによい姿勢での読書は、脳を活性化させインプット効率が高まるのではないか、という期待がある。一方で、座り心地のよい椅子であるだけに、読書に耽るよりも居眠りに陥る時間の方が長くなるのではないかという危惧もある。
希望的観測をするなら、この椅子で本を読む時間の密度がこれまでよりも濃くなり、ということはインプットの質が高まり、その結果が思考のブラッシュアップにつながり、引いてはこうやって書き連ねる文章の数々が名文と化す、なんてことを昼寝の夢に見た。
- 作者: ベラ B.ウィリアムズ,佐野洋子
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昨日のI/O
In:
『甦る怪物』佐藤優
某社トップミーティング
Out:
セルバンク社インタビューメモ
昨日の稽古:
・拳立て、腹筋、スクワット
・基本稽古