電話が消える日
ついに利用者1億人突破
しかも昨年9月末からの7ヶ月間で利用者数が倍増。インターネット電話スカイプ(Skype)の話である(日経産業新聞5月5日)。仮にこのペースで(頭の中に利用者増のグラフを思い描いてみてください、あなたが思い描くのは直線グラフ、それとも二次曲線的グラフ? 私の考えでは二次曲線的グラフになる)で利用者が伸びるとすれば、
2006末 2億人
2007末 8億人
2008末 ?
これはおそらく最大値だろうけれど、逆にだいたい半年で5000万人ずつ増えると考えても、2008年末には利用者数は3億5000万人になる。なぜ、こんな増え方をするかといえば、当然スカイプの価値/対価のバランスがそれだけ優れているからだろう。
その価値とは何か。世界中の人と話せることだ。会議通話もできる。テレビ電話もできる。しかも極めて低コストで。
仮にスカイプ加入者同士なら通話料は『無料』である。相手が世界中のどこにいても、通話料は一切かからない。信じられますか? これは、実はものすごいことにつながっていく。
あるいはスカイプから日本国内の固定電話にかける場合、1分あたりでだいたい『3円』。30円の間違いではない。相手が携帯電話でも20円。これまた実は、とんでもないことを引き起こす。
ところで昨日(5月8日)の日経新聞朝刊に、ちょっとおもしろい記事が載っていた。「古刹をハイテク化 異端の試み」と題して唐招提寺長老の松浦氏が、寺務の効率化を図るためにお寺とお寺の間をテレビ電話で結び、電話会議をしていると紹介されている。使っているのは、いうまでもなくスカイプ。テレビ電話を始めるためにかかったコストは、おそらく4000円ぐらい(テレビカメラ代2台分)だ。
注目すべきは、スカイプのハードルの低さ。70歳になるお坊さんでもやる気になれば、すんなりと使えてしまう。
実はスカイプについては、去年の8月にもエントリーを書いている。このときにはNTTやNTTドコモにとってはスカイプがデストロイヤーになる
おそれがあること、しかしスカイプが米国初のネット技術ではないので世界的な普及には「?」マークがつくことなどを書いた。その後スカイプは米イーベイに買収され、これでスカイプが一気に全世界に広まるお膳立てが整ったのだ。
→ http://d.hatena.ne.jp/atutake/20050818/
一方でスカイプが広まるとみれば、ここにビジネスチャンスをかぎつける企業が出てくる。まずはスカイプをより使いやすくするためのハードである。たとえばイヤホンマイクやテレビ電話用のカメラなどだ。こうした機器をあちらこちらで目にするようになると、しかもそれらが安いとなると「ふ〜ん、スカイプって無料電話になるんだ。だったらやってみるか」なんて人が増えてくる。その延長線上に唐招提寺のお坊さんもいる。おそらく、これから時間を持て余す団塊の人たちも、テレビ電話には興味をひかれるだろう。
前回も書いたけれど、企業はスカイプ導入により少なくとも社内通信費はゼロ近くになる可能性がある。しかも世界的に展開しているような大企業であればあるほど、受けるメリットは大きい。
ということで、もはやスカイプを、単なるネット電話などと考えてはいけないのだと思う。これはインフラである。構造的にはインターネットという下部インフラがあって、その上に乗っかるサブインフラと考えればいい。しかも、このインフラはインターネット初期のようなとんでもないコストはまったく必要なく、使い手に技術的な知識もほとんどといっていいほど要求しない。
簡単で、使いやすくて、便利で、おまけにタダ。しかも全世界とつながる。こんなコミュニケーションインフラが整備されたときに、何が起こるのか。浮かんでくるビジネスチャンスはとんでもない数に上るのではないか。インターネットが普及していく過程で、どんな新しいビジネスが生まれてきたのかをふりかえってみれば、そこにいくらでもヒントはある。
世界をつなぐのはコミュニケーションである。企業活動はもとより、あらゆる人間の活動は、すべてコミュニケーションだと言い切っても決して過言ではない。さらに一歩踏み込むなら、人が生きるということは、コミュニケーションすることといってもいいと思う。
そのためのインフラが整備された。メールが、大げさにいえば仕事のやり方から人の生き方を変えたように、メールよりももっと簡単に使えるコミュニケーションインフラは、また人の生き方にパラダイムシフトをもたらすだろう。
スカイプを使って何をやるのか。この3年ぐらいが勝負である。
昨日の稽古:富雄中学校体育館
・常足を養うためのトレーニング
・ミット稽古
回し蹴り・前蹴上げを早く
前蹴上げ・前蹴りを強く
順突きを早く・順突きを強く
・組手稽古
左のみ・右のみ・左のみ/右のみ・フリー 計16セット