女子高生のすごさとは


主婦よりもケチ。10円にとことんこだわる。


いろんな消費者クラスターの中で、価格に対してもっともシビアな目を持っているのが女子高生らしい(『プレジデント』誌6月12日号)。これはちょっと意外な発見だ。


同誌によれば、彼女たちは「生まれたときからコンビニがあるような、モノがあふれる時代の中で成長してきた。<中略> 月々の小遣いは5000〜1万円が相場。アルバイトで得る額もたかが知れている。値札に割高感があれば見向きもしないし、「〜放題」定額サービスへのこだわりは凄い」(前掲誌 121p)


さらに彼女たちは、消費者として特異な特長を持っている。これがマーケッターとしては、絶対に見過ごせないポイント、すなわち口コミマニアである。何か情報を仕入れると、とにかく誰かに伝える。伝えずにはいられない。そのためのツールはケータイ。授業中であれ、電車に乗っている時であれ、あるいは歩きながらでもケータイを手離さない。


特に自分たちが「カワイイ」と思ったものは、仲間に伝えまくる。この仲間がまた、実に幅広い。友だちの友だちは友だちだ、の世界である。だから「○○って、チョーカワイイの」なんて具合に口コミが口コミを呼び、それがある臨界値を超えた時点で爆発する。これが女子高生パワーである。


そんな口コミから生まれたヒットアイテムの典型が、映画『NANA』や倖田來未らしい(知らなかった)。さらに一時廃れたプリクラも、改良を重ねた画像のきれいさや携帯を使った通信機能の導入などで復活している。


その女子高生に受けるためには「カワイイ」が絶対基準となる。しかし、このキーワードほどあいまいなものもない。何が「カワイイ」のかは、誰にもわからない。わからないけれども彼女たちがひと言「カワイイ」といえば、その商品には爆発的に売れる見込みが出てくる。逆にどんなに品質がよくても、こだわり商品でも「カワイ」くなければ見向きもされない。これほど難しく手強い消費者もいないだろう。


なんで、こんなことを調べているかというと、女子高生向けフリーペーパーの仕事にちょいと関わっているから。でも、正直なところ一丁噛み的な関わり方でよかった。資料に乗っている女子高生座談会の記事(これは、プレジデントの読者層を考えて、用語や表現などがある程度編集されていると考えられるが)を読んだがとても難解だ。シャレじゃないが何回か読まないと、何を言っているのかわからないほど難解だ。


自分はいま齢46となっているが、残念ながら男子校に通っていたために、これまでに女子高生と呼ばれる方たちとお話をしたことはない。だから昔の、つまり自分と同世代の女性たちの女子高生時代がどうだったかもまったく知らない。今どきの女子高生が昔とは違うんだろうなぐらいはわかるけれども、どんなところがどれぐらい変化してきているのかはさっぱりだ。


しかし、女子高生マーケットをまったく無視していると、消費材関係のマーケッターとしては失格となる恐れがある。だって女子高生はやがて女子大生となり、OLとなり、主婦となっていくのだから。おそらく歳を重ねて行くに従って、『女子高生』というひとまとめのくくりから、いろんなサブクラスターにばらけていくのだろうけれど。それでも根っこに女子高生体験を共通項として持っているわけで、そこは押さえておかなければならないだろう。


いわゆる『女子高生』がマーケティングの世界で意識され始めたキッカケは、おそらく95年のルーズソックスだと思う。とすれば、そのときにティーンズだった女性たちもすでに30前、子どもを持っている可能性もある。


ルーズソックス第一世代が子どもと、どんな接し方をしているのか。彼女たちが、子どもとどうコミュニケーションを取っているのか。個人的にはこれがとても気がかりだ(って余計なお世話かもしれないけれど)。


あともう一つ。本来なら女子高生の対概念として語られてもおかしくはない『男子校生』は何をしているのだろう。なぜ、彼らはマーケットとして浮上してこないのだろう。これも相当に疑問である。



昨日のI/O

In:
Out:
大阪トヨペット会長インタビューメモ
Teens向けフリーペーパー媒体資料原稿


昨日の稽古:西部生涯スポーツセンターダンススタジオ

・ミット稽古
  カウンターをとる回し蹴り、膝蹴り、突き
・組手稽古
  10分
  ※所用のため稽古開始後1時間で退出しました