転ばぬ先のメンテナンス
Mac People (マックピープル) 2010年 06月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/04/27
- メディア: 雑誌
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このエントリーは、R+さんから送っていただいた献本『MacPeople6月号』についてのレビューです。
24ページ中23ページまで仕上げて、さあ残り1ページでクルクルマーク!
あと、ほんの少しで終わりというところで、Macはよく落ちた。そのときの脱力感というか、やるせなさというか、手当たり次第にモノをぶん投げたくなる怒りの衝動というか。あれは確実に寿命を何年分か縮めたんじゃないだろうか。
10年ぐらい前までは、よく自分でDTP作業をしていた。デザイン事務所でレイアウトの基本は教えてもらっていたので、それなりに見栄えのするデザインをできたのだ。マシンは、もちろんMacである。もはやうろ覚えになってしまうが、たぶん使っていたのはPower Mac7600だった。
OSは漢字トーク7.5.5(といったはず)、メインアプリはQuarkXPressである。当時のMac使いは、出がデザイナーの人たちは圧倒的にIllustratorを好んだ。ところが元々デザイナーではなかった私には、すべてを数値で決め込んでいくQuarkの方が性にあったのだ。ページものをこなす上でもQuarkの方が分がよかった。
ところが、こいつがよく落ちた。メモリーがまだせいぜい32メガとかの時代である。少し凝ったケイ線を使いたいからと、QuarkとIllustratorを同時に立ち上げたりすると、てきめん。ケイ線をIllustratorで作って、さあQuarkに張り込もうとするとフリーズ、である。
もちろん、十分に注意はしているのだ。こまめにコマンド+Sで保存する。Illustratorを使うときは、できる限りいったんQuarkを終了する、といった具合に。ところが作業が長時間に及び、深夜に至るとこっちもいい加減てんぱってくる。ついつい保存するのを忘れたり、あるいはうっかりしていてQuarkを終了せずに、Illustratorを立ち上げてしまったり。
あれは、まだ3月の最初頃だったはずだ。なぜ、時期を覚えているかといえば、いきなりMacが落ちて「もう、やめたるわい!」とオフィスの床に寝転がったのはいいが、かなり寒くて体に新聞を巻き付けたことを覚えているからだ。
ともかく、落ちた。24パージのパンフレットのレイアウトをしこしこやってきて、ようやく残り1ページまでこぎつけたところで。Macはいきなり、死んでいかれた。あの頃、Macは一日に最低一回はダウンするといわれていた。その噂は知っていた。というか身を以て理解していた。にも関わらず、やってしまった……。
さてOSXである。こいつは、以前のMacを知っている自分にとっては、信じられないぐらい『落ちない』マシンとなっている。いま、この原稿を書いているMacBookProなど、もう一年ぐらい使い続けているが一度も落ちたことがない。文字通りのトラブルフリーである。たまにFirefoxがいきなり終了したりはする。とはいえ同時に立ち上げている他のアプリには何の影響もない。
極めて優れたマシンである。だから、完全にトラブルフリーだと思っていた。MacPeople6月号の特集を読むまでは。
もとより同誌にも「OSXは堅牢なシステム」と書かれている(同誌58ページ)。しかし「トラブルをゼロにはできない」とも記されている。そうなのか。
冷静に考えれば、いくらMac&OSXが優れているとはいえ、トラブルがまったくない、ということは確率的にはありえない。今使っているマシンは、たまたま「当たり」なのだろうが、かなり酷使しているゆえ、いつかは機嫌を損ねることもあるだろう。だから、普段のメンテナンスをした方がいいと、特集は教えてくれる。なるほど。
大切なのは『転ばぬ先の杖』である。たとえMacといえども、あるいはデータは全部Dropboxとevernoteにあるからといっても、たまにはきちんとメンテナンスをした方がいいのは理の当然である。そしてノートブックタイプなら、バッテリーのリフレッシュをした方が良いこともわかった。やり方は、事細かにわかりやすく書かれている。
Mac使いの方で「今のところ、何のトラブルもないからメンテナンスなんて必要ないや」と思っている方は、ぜひ、本誌を一読されるべきだろう。特にノートタイプユーザーは、バッテリー関連の記事が参考になる。
そして万が一の(まずないと思うけれど)トラブル時に備えて『システムの復元』方法のページだけは、切り取ってでも保存しておくべきだと思った。実際にMacがトラブってしまったときには、ネットで検索して治し方を調べたり、あるいは誰かにメールで助けてもらったりするのは、自分のメインマシンがないだけにかなり厄介なことになるのは明らかなのだから。
昨日のI/O
In:
S社トップインタビュー
『知性の限界』高橋昌一郎
Out:
N社トップインタビュー記事