緑帯空手修業的

膝抜きと無拍子

一人がバレーボールを両手で挟む。 相手は向かい合って立ち、ボールの上に両手を乗せる。 ボールを挟んでいる方が、できるだけ動きを小さくしてすっと手を広げる。当然、ボールは落ちる。そのボールが床に着くまでに掴めるかどうか。やってみるとわかるけれ…

拳を交わす意味

それは一種、異様な光景だった。 組手をしながら泣く。とめどなく涙があふれてとまらない。少し失礼な表現だが、およそ涙など似つかわしくないようないかつい顔をした黒帯の猛者たちがである。 昨日、自分の師であり、空研塾・奈良支部を引っ張ってこられた…

居着くとは何か

「松井さあ、打席では歩いた方がいいに決まっているよ」 落合博満のこのひと言が、松井秀喜のその後のバッティングを決めたそうだ(日経新聞4月25日)。それまで松井は自然な体重移動を求めてさまざまな試行錯誤をしていた。足を上げる・上げない、高く上…

師を送る

空手の師、空研塾・奈良支部長が、一昨日で指導に一応の区切りをつけられた。 メンターがいない、メンターが欲しいなどといいながら、いつの間にか、この人が私のメンターとなっていたことに気づいた。 支部長とのファーストコンタクトは電話である。ほんの…

武道教育の可能性は

少年による殺人、殺人未遂が3日連続で起こっている。 なぜ、そんなことが起こるのか。原因については、いろんな考え方があるだろう。しかし、もはや原因をあれこれいっているときではないのではないか。とりあえず何らかの緊急対策が必要なのではないか。 …

最小限の防御について

子どもでも突きの強い子がいる。 子どもの組手の相手をするときは、たいていサンドバッグになってあげる。好きなように叩かせたり、蹴らせたりさせてあげる。で、時々かわしたり、前に出て圧力をかけたりといった調子で付き合ってきたのだが、中に一人だけ、…

左利きを活かすには

利き手、利き足が左である。 が、お箸、鉛筆は右手に持つ。どちらかといえば、器用なのは右手だ。そして中学・高校時代は卓球をやっていて、ラケットは右手に持っていた。大学に入って野球をやったときは左。10年ほど前、お遊びでテニスをやっていたころは…

ヒデキマツイの筋トレとは

47分で650回! ヤンキース・松井秀喜の腹筋運動である。最初は足上げ腹筋を30分、この間一度も足は床に降ろさない。そのあと、さらに5種類の腹筋をやる(日経新聞3月28日)。 しかも、これで「単なるアップ」だという。それから2時間15分かけ…

子どもの試合について

息子が空手の試合に出た。 残念ながら一回戦で負けた。一応、延長判定の結果とはいえ、自分のいいところをまったく出せなかったという意味では完敗である。勝てなかった理由ははっきりしている。明らかに稽古不足だ。 昨日の大会の参加者は360人ぐらい。…

自分の中でのSとMの対話

格闘家にとってもっとも大切な能力は、コミュニケーション能力ではないか。そんなことを、ふと思った。 ここでいうコミュニケーションとは、二重の意味がある。まずは戦う相手とのコミュニケーションであり、もう一つは自分の内部でのそれである。 格闘技に…

厄年について

6時間54分 今を去ること8年前の記録である。義父のホノルルマラソンチャレンジに付き合った。といっても走ったというよりは、最初から歩き通してももうちょっと速いんちゃうか、みたいなタイムではあるが。とにかく最初の30キロぐらいまでは意識として…

空手は生涯スポーツになるか

「武道には知と創造の喜びがある」 東大大学院教授・松原隆一郎氏のことば。武道こそ生涯スポーツになる、というのが松原氏の主張だ。同氏は33歳から大道塾に入門し、60歳のいま、その師範代を務めている。さらに柔道場やキックボクシングジムにも毎週通…

顔面ありが空手を変える

顔面「あり」と「なし」では、空手という名前は同じでも、その中身がまったく違ってくる。そのことを身を以て知りました。 昨日の稽古、顔面を狙った約束組手を何パターンかやったあとに、顔面ありの自由組手を少しやる。もちろん顔面ありとはいっても、顔面…

カーツは最終兵器になるか

師匠もすなるカーツを弟子もあやからむとてす というわけでカーツベルトを買ってみた。とりあえず下半身用、パンツとベルトでしめて19500円也である。 カーツとは何かといえば、次のような説明がされている 加圧トレーニングは、発明者・佐藤義昭氏(サ…

見えない上段

上段を二発 久しぶりの組手で、きれいにもらってしまいました。組手をまともにやるのは一ヶ月ぶりぐらいか。とにかくまったく見えなかった。もともと上段のガードが甘い欠点はあるのだけれど、それにしてもねえ、見事にもらったというか。星がチカチカ、飛び…

体ボロボロなんですか

年間84日 2005年の休肝日数である。ほぼ5日に1回、10日に2回、月に7回は酒を抜いていることになる。実は昨年は連続休肝の大きな波が二回あった。 まず最初は2月10日頃。ここのところ毎年きっちりやってくる『痛風様』ご来臨のために、有無を…

膝をしっかり抱え込むためには

回し蹴りで、一番大事なことは膝の抱え込み。 わかっちゃいるけれど、これがなかなか思うように体が動かない。右と左では蹴り方がまったく違ってもくる。かなり難儀な課題で、もう5年もやっているんだけれど、未だに納得のいく蹴りを出せない。 股関節が固…

極意とは何か

肘打ちの稽古をした。 後ろにいる相手に対して、肩甲骨を使って肘を打ち込む。このときに注意されたのが、手のひねりだ。肘が相手に当たるときには、手のひらが上を向くようにと教えてもらった。 なるほど、こうすると力の入り具合がはっきりと変わる。そん…

野洲高校の勝因は位取り

高校サッカーを準々決勝からきちんと見た。こんなの初めてのことだ。 野洲高校が出ていたからだ。最初は、20年以上前にこの地に住んでいたことがあるので、懐かしさで何となく応援しようかといった軽い気持ちである。しかし、その試合ぶりを見てびっくりし…

右前か左前か

八極拳ノート―発勁呼吸と戦闘法概論 (Budo‐ra books)作者: 山田英司出版社/メーカー: 東邦出版発売日: 2005/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 25回この商品を含むブログ (8件) を見る 幸か不幸か、左利きである。 だからこそ組手の時は、あえてオーソ…

型は実戦で使えるのか

隠されていた空手―「型は教えても手は教えるな」の謎を解明する作者: 桧垣源之助出版社/メーカー: チャンプ発売日: 2005/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を見る 確かに、ずっと疑問ではあった。 型の稽古は、一体何に…

そして緑帯は続く

階段一段下りるのに10秒。 左足をまったく曲げることができないため、まず棒のように伸ばした左 足を一段だけそろそろと下ろし、左手を壁についてから右足をゆっくり と下ろしていく。時間がかかるっちゃあ、ありゃしない。 左膝蓋腱炎症。ジャンパーズニ…

約束組手を考える

一つの攻撃に対して4パターン。 すっかり忘れていたのだが、審査には約束組手がある。たとえば右構え での順突きに対して、4パターンの受け〜決めまでの流れを考えなけれ ばならない。 一つ例を挙げるなら、左順突きに対して右斜め前へよけながら、右外受 …

攻める気持ちでの受け

1分×20セットと2分×5セット 土、月と続けてスパーリングをさせてもらった。土曜日はよその道場の 若い人も含めて結構ガンガンやってもらい、月曜日は重量級の二人に一 方的に攻めてもらって受けを中心に。 土曜日の20セットは、自分の体力がどれぐら…

茶帯への道2

問題はどうやって十人に耐えるか。 1分30秒で10セットの真剣組手である。スタミナが必要だ。そして スタミナを養うには、ホントならゆっくり・じっくり時間をかけて走り 込むのが一番だと思う。ただ毎日、ゆっくり走っている時間がない。 そこで考えた…

茶帯への道

連続十人組手。 しかも相手は全員黒帯。それも本気。この歳で挑戦するのはちょっと無 謀じゃないかとは確かに思う。でも、チャレンジしてみたいのだ。 とりあえずめっちゃしんどいことは覚悟している。緑帯の審査のときの 五人組手でさえ、息絶え絶えだった…

ナンバと軸

回転しての移動稽古はバロメーターになる。 突きの場合なら、背中から半回転。蹴りなら同じく一回転。前屈立ちか ら回転し、構えを決めてから突き・蹴りを出す。これがなかなか難しい。 というか下半身に力があって、体全体のバランスが取れているときは、 …

鏡の前の百本

空手の命は組手にあり。 組手の命は基本にあり。 うろ覚えなので、もしかしたら間違っているかもしれないが、確か大山 倍達がこんなことをいっていた。どうにも壁に当たっていて、ちっとも 進歩していない、それどころか下手になってさえいるのは、基本稽古…

イメージトレーニングの力

武道の本質は間合いにあり。 なんて言葉を確か『孤拳伝』で読んだ記憶がある。間合いを最もシビア に考えるのが剣の世界だろう。真剣が届けば、そこで生死が決まってし まうのだから。 間合いに対するシビアさについては、本来なら剣道につぐのが空手かも し…

自縄自縛

上段恐怖症にかかっている。 別に決定的な一打をもらったわけじゃない。が、何となく自分は上段が 弱いと思い込むことで、動きがぎこちなくなっている。ぎこちないまま に、無理に攻めに出るから、上段がら空き。で、黒帯の先輩から見れば、 あいてるのが丸…